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madamkaseのトルコ行進曲

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 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2015年12月13日
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カテゴリ:プレゼントを頂く


【12月13日・日曜日】


 先月、美由紀さんが私のさる友人の持物であるアパートホテルの一室を貸して貰うことになり、トルコに来て以来2年ちょっとで3軒目の借家に引っ越しすることになった。今度はタキシム広場に近く、便利なところである。

 イスタンブールでの借家探しは難しい。美由紀さんも今まで住んだ家が2軒とも広さや家賃はまずまずだったのだが、どちらもものすごい湿気があり、衣服や靴は言うに及ばず、自前で買った洋服ダンスもカビでひどいにおいがつき、毎日カビとの闘い、というくらいひどい目にあっていた。

 最初のところがそうだったので引っ越したら、2軒目の方がもっとひどかったと言うのだった。今年に入ってからは、仕事も不景気なところに、家がカビだらけでは本当に気が滅入ってしまうに違いない。私はアパート・ホテルを3軒、合計24~25室も持っているその友人に相談してみた。

 空室をそのままにして、いつ来るかわからない客を待つより、少しディスカウントしても、確実に払ってくれる現地在住の人々にも目を向けてくれるよう、話してみた。すると彼はトルコ人らしからぬ「損して得取れ」の論理をよく理解してくれたらしく、早速協力を申し出てくれたのだった。

 先月の下旬に美由紀さんと一緒に部屋を見に行ったところ、タキシム広場からやや奥まってはいるが、若い人の足では10分足らず。しかもさすがホテル仕様だけに、すべての家具がついているのだった。

 まだ新築みたいにきれいなのに、余り借り手がいなかったのは、簡単に払える家賃ではないことが原因かもしれない。私も同道したが、大家の彼と美由紀さんの直接交渉で、当分は美由紀さんの経済状態もかんがみて、思いがけないお値段でOKしてくれることになり、とんとん拍子に決まったのだった。

 なによりも、美由紀さんの誠実さがよく分かってくれたようで、紹介した私もおおいに面目が立った。

 「加瀬さん、こちらに移ると冷蔵庫や洗濯機が要らなくなります。加瀬さんにこの二つを貰って頂けたら私も嬉しいです」

 「えーっ、そりゃあ、私も嬉しいけど、あなたも大変な時なのに、ぽいと私にくれてしまったら勿体ないでしょ、中古でもまだ2年そこそこなんだから売れると思うけど。それか、私がいくらか出したら、どう?」

 「いいえ、トルコに来られたのも来てからも、今度の家が見つかったのも、ずっと、加瀬さんのお陰です。やっとこんな形でお礼の出来る時が来ました。どうぞ受け取ってください、お金を払うなどと言わずに。」

 うわー、私は美由紀さんの潔さに脱帽する思いでうなずいた。

 「それだったら頂くね。私も今の状態では20年も働いてくれた洗濯機が壊れても、すぐに新品を買えそうにもなかったし、有難く使わせて頂くわ」


 洗濯機はまだまだ動いてくれていた。トルコに来た翌年の誕生日に娘が買ってくれたものだけに、愛着はひとしおだけど、トルコでの娘の1人の美由紀さんがこうしてプレゼントをしてくれると言うのである。

 こんな幸せなお母さんはやたらにいないだろうなあ。

 冷蔵庫の方も、今のは娘が家を買ったとき、大きい冷蔵庫だとお母さんは一杯溜めこんで、食べ物を駄目にしそうだからと、洗濯機と同じくらいの小さなものを買った。

 私がジハンギルにいた時買った大型冷蔵庫は処分してしまったので、ときにはやっぱりもう少し大きいのが欲しかった、と思わないでもない。

 そこで、美由紀さんに貰う冷蔵庫は今のよりさらに小さいので、古い方もそのまま残して、新しいものも何とか台所に収まるように工夫した。

hediye  
運び込まれた冷蔵庫と洗濯機。猫達がルンルンです。高いところに乗る楽しみが増えて。

sentakuki  
洗濯機は古いのがあった場所を掃除してきれいに収まりました。

reizouko  
冷蔵庫の方は今の冷蔵庫の向かい側にあった椅子をサロンに持って来て、
ちょっと狭くはなりましたが、どうやら収まり夏はビールが楽しみです。



 ドド~ンとすごいお歳暮を貰ってしまったような気がする。かくて幸せいっぱいの「白物家電大尽」となった私、美由紀さん、本当にありがとう。大事に使わせて頂きます。

 それから娘が1996年の誕生日に買ってくれたイタリア製の洗濯機FRIGIDAIREさんへ。

sentakuki 2  
故障もせずに20年近くノンストップで働いてくれた洗濯機。
アパルトマンの玄関に置いて、オスマンが処分してくれます。


 20年近くもろくに手入れもせず使っていた私に、一度も反抗せず今日まで故障もなく働いてくれてありがとう。心から感謝しています。置くところがないから古物商に引きとって貰うけど、優秀な機械だった君を忘れないからね、さようなら。

 日本にいる娘にも報告したら、「よかったね、お母さん。美由紀さんにもよろしくね」と言う。トルコに来ても子だくさんの私は、やっぱりこれは大きな幸せなのだ、としみじみ思った。

 

 







   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




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Last updated  2015年12月15日 21時16分07秒
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