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カテゴリ:やってよかった/やらなきゃよかった
【2月11日・木曜日】 今月5日に吹き降りの中をぼったくり事件で歩き回って風邪を引き、もう日付の変わった頃にようやく帰宅したら、いない間に天井からひどい雨漏りがしていて、小さな滝のようなありさまで、バケツをいっぱい並べて不安な一夜を明かし、月曜日には微熱が残っているのにまた別なぼったくり事件で、12時間あまり家を留守にして動き回っていたためすっかり体力を擦り減らしてしまった。 おととい、澄子さん宅に遊びがてら日本食材を頂きに行った帰り、ユルマズ夫人ナオコさんからも日本土産を頂いて幸せ気分で救われたものの、今日は午後からメフテル軍楽隊のことで話があったのでメティンさんのところに行き、3時になったので、コンサートに行こうと腰を上げたら、「20年も前から来るたび見ているのだから、今日ぐらいはここでゆっくりしなさい」と彼が承知しないので、とうとう見ず仕舞いになった。 するとコンサートのあと、軍服に着替えたデニズ少佐がメティンさんの部屋に顔を出し、「加瀬さん、どうしてコンサートに来なかったの、探したけど来ていなかったみたいだね」と言った。 メティンさんが「いいんだ、いいんだ、軍事博物館にはコンサートだけ見に来るんじゃなくて、たまにはゆっくり話をすることも必要だよ」と言った。 実はその前日の10日、私は友達の七緒さんと電話で話をしていて、こんなことを聞かれたのだった。 「加瀬さん、2020年にメフテルが串本に来たら、そのあとやっぱり東京でしかコンサートやパレードをやらないんでしょうか」 「さあ、それは分からないけど、メフテルが毎年日本に行かれるとすれば、東京や大阪以外のところにも行く可能性はあるよね」 「そうですか。私は福岡が故郷なんですけど、一度でいいから、福岡市の目抜き通りを、ホークスが優勝パレードしたようにメフテルに練り歩いて貰いたいんです」 私は、ぐずぐずしたままで快癒しない自分の体調がもどかしいので、今日はコンサートを聴いて一気に気分転換を図ろうと決めていたので、まずはこの七緒さんの郷土愛を叶えるにはどうしたらいいか、メティンさんに相談しようと午後一番で彼を訪問したのだった。 すると、メティンさんが、私の訪問目的を聞くと、自分の方からも話すことがある、と言って、なんとまあ、私達が考えているのと同じことを切り出したのだった。 「このごろの日本人のトルコ離れを非常に嘆かわしく感じているよ。メフテル軍楽隊は本来、相手国からの招請があって初めて動くものだから、日本から毎年1回招待があればこちらもそれに合わせて日程を組む。メフテルを好きな人々の声が高まって、そういう土壌が出来たら実現不可能と言うことはない、要するにもっともっとPRして、たとえばあなた方が働きかけることで気運が高まればやがて実現しない、と誰が言えよう!」 メティンさんは、ここにはいないが七緒さんのメフテルへの思い入れに感心し、彼女と私に「メフテル軍楽隊が両国の架け橋になるように、自分達で運動を起こしてごらんなさい、私も、他のメフテルのメンバーもいろいろな面からあなた方に協力を惜しまないよ」と言うのだった。 5時頃、私はメティンさんやデニズさん達と今日は臨時に西門から出る送迎バス乗り場まで一緒に歩いてきて、皆さんと別れた後、七緒さんに電話を入れて見た。彼女は30分くらいのうちに伺います、と言う。かくて私達は近くのカフェで落ち合い、その件で話し合うことになった。 しかもたまたま、ちょっと電話で質問した軍楽隊に海軍から参加している軍曹のイブラヒムさんもカフェに来てくれたので、メフテル軍楽隊の活動時に撮影や報道を担当している彼が、写真やビデオを提供してくれることになった。 求めよ、さらば与えられん、と言うのを実感した日でもあった。七緒さんとは早速、Facebookページを起こすことになり、パソコンに詳しい彼女が実務面で、私はメフテルとの連絡やら、ウェブサイトの資料集めを担当することになった。 その晩から七緒さんはページ構築に取り掛かった、と言うから、やはり若いパワーで郷土愛に燃えている彼女が主力となって動いてくれるなら、私達は既に一日で大きな一歩を踏み出したことになると言えよう。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年03月31日 20時29分04秒
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