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カテゴリ:トルコと日本と世界の出来事
【1月17日・火曜日】 700人近い人々が年越しパーティを楽しんでいた、元旦のナイトクラブを襲い、45秒の間に39名の犠牲者と65名前後の負傷者を出した“レイナ襲撃事件”で、まんまと逃走した大量殺人犯が、仲間達と潜んでいたイスタンブール郊外のエセンユルト地区にあるアパルトマンで、16日から17日にかけて実施された県警のオペレーション(一斉捜索)により、ついに逮捕された。 男は中央アジア圏(ウズベキスタン)の出身で、名前を「アブデュルガディル・マシャリポフ」といい、Daes(Daes ダエシュ=ISイスラミック・ステートのアラビア語での呼称)のメンバーである。 犯人は沢山の防犯カメラに、このように大胆不敵に沢山の映像を残していた。 (テロップの訳) 「最も鮮明な映像」 「ナイトクラブを血まみれにしたテロリストのビデオが見つかりました」 虐殺犯がまだ国外に逃亡せずにいることを把握したイスタンブール県警と検察、そして内務省のMit(秘密警察)の地道な捜査の末、エセンユルトの隠れ家にいることを突き止め、昨夜遅く隠れ家の周辺を警官隊が包囲、16日夜11時30分に一斉家宅捜査開始に踏み切った。 日付が17日に変わって、テロリスト達が暮らしていたアパルトマンの某フラットの鋼鉄のドアを破り、なだれ込んだ警官隊は、犯人が武器を持っていなかったので警官隊も発砲はせず取り押さえ、無傷で逮捕、同居していた仲間(女3人、イラク人の男1人、)も拘束、4歳になる犯人の息子は保護され、オペレーションは成功裏に終了した。 逮捕された犯人と拘束された男女は即刻イスタンブール県警本部のテロ対策課に連行され、厳しい取り調べが続いており、本日朝10時30分、県警本部で記者会見が開かれ、県知事ヴァスィップ・シャーヒン氏より、オペレーションの経緯と詳細が詳しく公表された。 朝のニュースで、犯人逮捕の朗報を伝えるリポーター 銃の使い方も4ヵ国語を操ることも”優秀な戦闘員”と言われた犯人の男。 その高い能力をテロに使うなどやっぱり正気ではない、洗脳の恐ろしさ。 (テロップの訳)「レイナの殺人犯が捕まりました」 犯人アブデュルガディル・マシャリポフは1983年ウズベキスタン生まれの34歳。彼は犯行を認め、指紋も一致した。かつてアフガニスタンでテロリストとしての訓練を受けたことがあり、4つの言語を操り、トルコには以前にも入国していて、イスタンブール、コンヤ、イズミール、ハタイなどと言う主要な県で暮らしたこともあるという。 今回の襲撃はISから15万ドルの報酬を受け取る約束で、雇われての犯行だったことが明らかになっており、彼らの家からは、昨夜のオペレーションで、19万7,000ドル(当日のレートで約2,248万5,000円)も同時に押収されたとのことである。 これでレイナの事件は犯人完全逮捕という良い結果が出たが、犠牲になった人々はもう帰らない。テロリストは目白押しに控えているので、いつでもどこでもまた起こり得る。 実際、あの事件の後すぐに、イズミールでもテロが起こり、白バイの警察官が単身追跡、撃ち合いとなって殉職した。事件から犯人逮捕までの17日間に、南東部のディヤルバクルやシリア国境に近い地域では、ほとんど毎日のようにテロリストの襲撃事件が起こっており、軍人やポリス、一般市民まで連日何人のシェヒット(犠牲者)が出ているかを考えると、やっぱり辛さの方が身にしみる。 それでもAllah bir daha gostermesin(神様、こんなことを二度とお示しにならないでください)....と、いつも同じことを祈ることしか出来ないのが悲しくもどかしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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