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カテゴリ:トルコと日本と世界の出来事
【4月16日・日曜日】 今までの憲法を改正して、議会内閣制を止め、三権分立じゃあなくて、何でも大統領が決める大統領府制にしよう、これにEVET (賛成)にしてもHAYIR (反対)にしても、僅差で決まるだろう、と言われていたトルコの国民投票は、朝8時から夕方5時までで締め切られ、6時頃にはもう開票第1報がTV画面に登場した。 私は国営放送TRT1や、TRT HABER、CNN Turk、NTV とか、aTVやStarTVなども、EVETに賛同するコメンテーターを集めていたので、今回もまた、FoxTVの放送を選んで、朝と夜の人気キャスター、イスマイル・クチュックカヤ氏とファーティヒ・ポルタカル氏の二人三脚での開票速報を見ることにしていた。 投票時間の午前中や午後には、国民投票に、わが党はこういう姿勢で臨む、というのを、与党、野党第1党、第2党、第3党の党首(第3党HDPは党首2人がPKKを支援していた疑いで、クーデターのあと、拘束され、そのまま別々の拘置所で拘留中なので、彼らに代わり党首代行)をスタジオに招き、じっくりと話を引きだして報道した。 国営放送は、がっちりスクラムを組んでいるEVET派関係の人の話ばかりで、野党のヤの字もないので、なんとなく聴いても聴かなくても同じ、という気がした。 イスマイル・クチュックカヤ・キャスター(右)と、ファーティヒ・ポルタカル・キャスター(左) ほぼ終了、最終的な公式数字は、EVET 51.4% , HAYIL 48.6%となりました。 さて、開票結果発表は30分もしないうちに始まったのだが、最初からギュネイドウ(南東部)ではばっちりとHAYIR、そしておととし11月1日の総選挙では、首都アンカラ、イスタンブール、イズミールの三大都市がすべて与党優勢で終わったのに対し、今回はそれらの地域でも、後半からどんどんHAYIRが伸びて来て、常にシーソーゲームのようだった。 開票は午後8時半過ぎにはほぼ終了し、EVET51.4%、HAYIR48.6%で、過半数を越えたからと、アンカラのAKPの本部ビルで、バルコニーに首脳部が居並び、ビナリ・ユルドゥルム首相夫妻が揃って、首相の与党の勝利宣言が高らかにぶち上げられた。 しかし、野党第一党のCHP(共和国民党)のクルチダルオール党首が、高等選挙管理委員会に、「投票後に投票所で押す決まりになっている投票所スタンプのない、大量のEVET票を、有効にする、と判断したのは不正行為である。規則通りに無効にしていたら、結果は全く逆になった可能性もある。徹底的に調べて真偽を確かめてほしい」と異議を唱えた。 というのも、YSKと略称される高等選挙管理委員会(選挙関係の最高組織)委員長が、投票日のほんの数日前に「こういうものは絶対に無効とする」と、記者団の前で述べた話しの中に、投票所のスタンプのないもの、とはっきり言及していたのである。 クルチダルオール氏の異議申し立てに同調して、HAYIR派だった人々の間でデモや署名集めがすぐに始まった。EVET派が何か、臭いことをしたんじゃないか、という疑惑が起こるのは当然の成り行きかもしれない。さあ、これからトルコはどうなるのか、非常事態宣言もまた延長すると大統領は言っているらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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