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夢みるきのこ

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2011年11月07日
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カテゴリ:ロシアクラブ
 最近の映画事情は複雑で、骨のある映画はサンデー毎日(毎日が日曜日)の人しか観られない時間帯にスポットでしかやってくれなくなっているので、どんどん映画館から足が遠のいていく。今日はそんな映画のひとつ、アレクセイ・ポポグレブスキィ監督、グレゴリィ・ドブルィギン、セルゲイ・プスケパリス主演のロシア映画『夏の終止符』を仕事を終えてから神戸の元町映画館まで車を飛ばして観に行ってきた。
 なんとか滑り込みで観ることができたが、北極圏の孤島の気象観測所をたった二人で守る親と子ほども年齢差のあるセルゲイとパーベルの心理的葛藤にはじまり、若いパーベルが観測データを寝過ごしてごまかし、セルゲイ宛ての重大な知らせを隠したことで起こった出来事が段々取り返しのつかない局面に進展していく一方で、そんなちっぽけな人事などなんの意味もないかのように悠久の時を刻む荒漠たる大自然の映像と対比させていて、厳しくもとても緊張を強いられる作品だった。
 ここにはロシアの現代社会における世代間の埋めがたいギャップ。ロシア人魂とも言うべき耐えて耐えて耐えしのび、莞爾としてすべてを受け容れるたまらない魅力に富んだ男性像が描かれていたほか、放置状態のままになっている高放射能設備の問題、孤独と向き合うことの厳しさなどを心理的な映像で淡々と訴えかけていて感動した。繰り返し挿入される測候所の彼方の海の映像に、僕はソラリスの海を想起した。

 写真は昨日の日曜日、生駒滝寺道の途中で出会ったマダラ岩。きのこ乙女のAちゃんがこわいものみたさに近寄っていく図である。「その石凶暴につき」と貼り紙してたのになぁ。





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最終更新日  2011年11月07日 23時57分53秒
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