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カテゴリ:ギャラリーきのこ
美濃は多治見の闘(?!)芸家・安藤美樹さんの個展がはじまった。ギャラリーきのこにふさわしいアモルフォスそのものの作陶展。 今回の作品は、映画『蜘蛛女のキス』の音楽でご存知の方もあるかも知れないが、ブラジルの異色の音楽家・エグベルト・ジスモンチのサウンドに浸っていて気がついたらこんな作品が出来ていましたと美樹さん自身が語っていた。彼、ジスモンチの曲で僕が知っているのは『ソ―ニョ(夢)』くらいだったので、搬入から同行していただいていたご主人のアイポッドで聴かせていただきあわわっと感激するとともになるほどと合点した。
もちろん、彼女のイメージ・ソースのそもそもの中心にはアンドレ・ブルトンも激賞した魔法的魅力をもつ顕微鏡生物図の作家にして博物学者・進化論者のエルンスト・ヘッケル(ドイツの人)があり、今回の作品群にもその片鱗は見ようとすればみられる。が、昨年暮れに見せていただいた前回の作陶展のときの作品に付着していたこちら側の世界の残り香も今回はきれいさっぱりかなぐり捨てて<行っちまった>感があり、なんとも爽やかである。
練り上げの技法や広義の美濃焼の伝統的な手法からも蛻(もぬ)けた無国籍感がなんとも独特の持ち味となって、それがジスモンチとのブレイクのおもいがけない結果としての私生児のように思えて思わず苦笑してしまった。 しかし、僕にとっては、このご夫婦はともども、ギャラリーきのこにおける数少ないうれしい出会いとなった。僕たちのきのこの旅はますます深く遠くアモルフォスな爛熟期に入っていくが、今回の核 ~かく~ 展は、記念すべきマイルストーンとなりえたと心から感謝している。
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最終更新日
2013年03月19日 18時47分36秒
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