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カテゴリ:ヘテロソフィア・アート
豊田きのこさんや堀博美さんの努力のお蔭で、阪神百貨店催事会場できのこフェスティバルが実現した最初の年に出店した作家の中で、僕が注目してきた作家に関東は青梅在住の高野秀雄くんがいます。その彼が夷川寺町通りの id ギャラリーで作品展を開くというので、大徳寺・今宮神社探訪会のあと、訪ねてきました。 昼下がりの会場は、ガムランが流れ、モヒカン姿の秀雄くんが訪問客としきりに語っていました。 雲が畑の志明院をとりやめて、大徳寺山内にしたのは実は、こちらにも立ち寄りたかったからですが、この案内を会員に流そうと思っていた矢先、「新聞でこんな写真展がありますがご存知ですか?」とNさんからメールが入ったので、ぼくの勘違いだったか?と思い詳細を知らせるのはやめて、当日のサプライズに残しておくことに。 しかし、会場をのぞいてみてやはりモヒカンくんだと分かり、杞憂におわりました。
作品はやはりMycenaのグループが数多く並んでいましたが、森の妖精と思しきクヌギタケが彼の作品の最もふさわしいアイテムであることは当然といえば当然です。 さて、この愛くるしい作品たちに見合うきのこ世界はやがて腹菌類に至って、すぐに行き詰りますので、それからについて彼の胸の内をのぞき、しばし語り合ってきました。 しかし、この酷暑の夏にうってつけの作品展。ここですこしご紹介して一抹の涼風をお届けしましょう。
クヌギタケやチシオタケ(写真上)やソライロタケやワカクサタケ(写真下)は初夏から梅雨の頃の森の可憐な妖精たちだ。その可憐さを小さなともしびで表現したところがこの作家の優れたところ。
こちらは柄にもうひと工夫必要なタマゴタケですが、しかし繊細でみずみずしいこのきのこの特徴をうまく表現しえています。立秋も過ぎましたのでもうそろそろ林縁を縁どることでしょう。
このモエギタケ(写真上)とムラサキアブラシメジモドキ(写真下)は、晩秋の森を彩るきのこたち。モエギタケはショートケーキのようなみずみずしさと繊細な柄を実に見事に表現しています。ムラサキアブラちゃんは、パッと見にはコンイロイッポンシメジかと思いましたが、フウセンタケの仲間だとか。こちらも、やはり傘のしずる感にこのきのこの特徴を捉えた佳作。 きのこたちに対するいつくしみに満ちた眼差しをこうした手法で表現しえた作家は彼が最初ですので、私はとても高く買っています。 また、作品名を学名や和名とはせずに、英名で統一していた処など、なかなか周到な配慮だと感じました。 さてムック会員のSさんから真夏の甲山で出会ったきのこたちの映像が送られてきましたので、近くこの場でご紹介いたしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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