1795925 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

夢みるきのこ

夢みるきのこ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

2015年09月05日
XML
カテゴリ:きのこ地蔵

      五劫思惟仏 (3)0003.jpg

       京都市黒谷金戒光明寺の五劫思惟仏 

 ムックきのこクラブの前身であるJ-FAS日本キノコ協会は、スーパーきのこ時代を予見して、その流れを太らせる活動をとりとめもなく広げてきました。それは、ヘテロ生物・きのこの博物誌から出発しながら、生物学をベースに置くヘテロ・アートの総合主義を目指すものでした。

その集大成が21世紀に入ってまとめあげた保存版(MOOK本)の『きのこ』13巻です。その創刊以来のベーシックな流れは4本あり、

1.島なみクラブ   諸大陸をふちどる世界中の列島弧(周縁)は異質な世界をつなぎとめる性格を持っていることから、そのインターフェイス(界面)の真実と重要性をさまざまな表現活動を通して伝えつづけること。

そしてこのクラブのもっとも重要な課題は、次のロシアクラブ同様にあらゆる文明・文化破壊につながる差別の問題とどう向き合っていくかを考えることにあります。

2.ロシアクラブ 旧大陸のアジアとヨーロッパにまたがる近くて遠い国・ロシア。そんなロシアと日本は、境界面と中央との関係性を示す好例です。その二つの異質な世界である日本とロシアを政治的力学onlyではなく、文化的にみて豊かな関係を築きあけていきたい。そんな日本とロシアの文化交流史を跡づける作業がこの部門。

ここには少数民族や異民族慰霊の問題、そして、韓国・中国・琉球そのほかの文化交流史ももちろん含まれます。牛窓や野洲で出会った朝鮮通信使の痕跡はその意味でも重要です。

でも僕は諸外国の中ではロシアにもっとも関心が深かったこと、そして中国、韓国、沖縄のアジアに対し、ロシアはヨーロッパ・アジアにまたがる大国であることから島国アジア・日本にとってもっともするどい関係性の問題が指摘できると考えて異質とか特殊を際立たせる意味でロシアクラブと銘打っています。

3.森のきのこクラブ これは森のきのこの生物学上の知見から、その未知の生物の新しい文化創造面でのきのこの役割を見つけ出していく作業です。

 この作業こそが私たち、ムックきのこクラブのベースなのですが、きのこは本来、目にはみえない微生物・菌類の中で、唯一その生活史に目にみえる時期があるという意味で学問的には大型菌類と呼ばれてきました。

僕達が呼ぶところのきのこは、目にみえない微生物が胞子を飛ばすときに胞子の発射台となるもので、微生物の目に見える大きさに膨らんだ有性生殖器でしかなく、飽くまで部分なのです。従って、菌蕈学(きんじんがく)という<きのこ>そのものを対象とする学問は、そこから微生物へとつながる多面的な広がりをもつ学問領域ではないこと。

それゆえ、一刻も早くそのことに気づき、きのこの彼方へ旅立つ方法を手に入れることを親しい人たちには勧めてきました。

それがムックきのこクラブの前身の日本キノコ協会の設立した動機の全てでした。

しかし、余りにも時期尚早で協会活動が文化やアートで目ざましい展開をすればするほど、きのこ採集家の皆さまから乖離する結果となってしまいましたので、どうしてもきのこを乗り越えられない人達とたもとを分かつ意味で協会を封印して、ムックきのこクラブとして再出発したのです。

スーパーきのこ時代のきのこは、食文化では発酵が中心となります。しかし、きのこにこだわっていては、そんな21世紀の地球の食の世界で重要な位置を占める、微生物の可視世界にまでも届かない。これはきのこを心底愛する者にとっては、ゆゆしき問題です。「いのち短し恋せよおっさん」そんな気持ちから私は、きのこしかみえない人たちと袂を分かったのです。

4.きのこ地蔵クラブ きのこの大地母神的特性は、仏教世界では「大地を蔵するごとし」というそのものズバリの名前を持つ地蔵に相当します。西欧ではメデューサに比定されてきました。地蔵はその大地すれすれの視線で世界を見詰め続けること(=きのこ目の涵養)、そして菩薩行というのは、きのこの地球上での活動に正にぴったりのものです。地天、月天、妙音、観世音も菩薩であり、大日如来の周縁に配されている神々で地蔵に準じます。

この地球上で傲慢きわまりない人間は、この大地、すなわちガイア・地球といった視点をたえず回復することを通して他者と関わることを心がけなければだめです。その意味で、過去から現代までの地蔵イメージの諸相をきのことの対比で拾い集めて行く作業は、まさにアートに関わる人たちの人格形成にとって無駄ではないことと考えてきました。ここでは宗教文化としてのきのこの役割を考えていきます。 

 J-FAS日本キノコ協会は、今述べたようにTHROUGH THE KINOKO(=T・T・K)すなわち、きのこを通して地球の問題を考える会として呱々の声をあげたのです。しかし、21世紀を睨んで立ち上げた協会でしたが、20年以上も早すぎました。21世紀も15年を閲してようやく手の届く彼方にそのスタートラインが見えてきました。

 いよいよ、この私と少数の理解者たちによる「きのこをメジャーに」する活動に再度挑戦しなければなりません。その、私にとってはこれまでの活動の集大成の期間に当たるきのこ暦の第4期8年が2年後に始まります。

 ところが、この好機到来の時節を目前にまわりを見渡せば、そのきのこ文化振興の戦友とも言うべき協力者のほとんどがすでに鬼籍に入ってしまっていることを思い知らされました。

 しかし、発想がユニークできのこが気がかりな若い世代の人達がちらほら僕の周りに集まりはじめていますので、その人達を中心により具体的で新しいシュールきのこの流れを形成していかねばなりません。

 そんなことをあれこれ思い巡らせていた矢先に、僕のとてつもない思いを何とか理解しようとしてくれているメンバーから素敵なアイコンが送られてきました。

 京都の法然ゆかりの黒谷にある金戒光明寺にアフロ仏の名前で親しまれている五劫阿弥陀仏の図像です。

 この石仏は、五劫という気の遠くなるような光年的時空の中で生きとし生けるものすべての救済を考えるうちに、螺髪(らほつ)が伸びてアフロヘアーのようになってしまったという阿弥陀仏の形象化です。

  このユニークな石仏には思わず笑ってしまいました。きのこ地蔵の傑作アートのひとつですね。

  こうした会員のささやかではあっても主体的な動きの中に、僕の努力が少しずつ形を成しはじめていることを実感し、うれしくなります。本当にありがとう。 

      五劫思惟仏 (1)0001.jpg

 さて、スーパー(シュール)きのこ時代の僕の関心は、個々のきのこに関心のある人、とりわけアーティストたちの孤立したアート作品の宇宙大の個性をどう一つの流れにまとめあげて行くかということに尽きます。だから、様々なアート展に顔をのぞかせ、多くのきのこに関心のある作家たちの表現から、淡い連帯の核を探り、交流をつづけてきたのです。

 そんな僕は、アンドレ・ブルトンが中心となった稀有な芸術潮流・シュールレアリズムの流れを未知の生物に託して、なんとか再来できないものかと思ってきました。

 きのこに決定的に出会ったとき、その新しい芸術運動の統合化(インテグレート)のシンボルとして、このヘテロ生物・きのこほどふさわしいものはないと考えて、30年の月日をキノコ・きのこに費やしてきたのです。

 赤貧洗うが如き僕の見果てぬ夢は、しかるべき資金を投入して、きのこを愛する人達が安心して生きられる世界を創るために、ヘテロな生物・きのこの叡知にまねぶ活動を重ね、ヘテロソフィア・アート・ムーブメントを創造するということに尽きます。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年09月07日 22時10分32秒
コメント(0) | コメントを書く
[きのこ地蔵] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X