|
カテゴリ:マダラーノフの独り言
逝く秋の午後の日差しには、忘れていた遠い記憶を呼び覚ます力がある。 僕はふりそそぐ秋の光の中にいると、いつか何処かでみたのだろうか、こちらに向かって開かれた窓辺の風景が心の端に立ち昇ってくる。人影があるのだが、定かではない窓辺。そして、その直後一瞬、郷愁ともなんとも言えない懐かしくもたまらなく辛いような思いに囚われ、胸が苦しくなる。 ムラサキシキブのつぶらな実も終わり、いつしか落葉が舞い始めている。今年は秋がとてもみじかかった。夏からひとっ跳びに晩秋へ季節は傾きはじめ、気がつけば長月。夕空低く、三日月がさそり座のアンターレㇲと並んでいるのがちらりと見えた。 今、余暇のわずかな時間、居眠りしていないときは、井原西鶴にぞっこんで彼の浮世草紙をちらほらつまみ食いしている。蕪村へそそぐ時代の流れが実に鮮やかに浮かび上がってくるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年10月16日 22時11分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[マダラーノフの独り言] カテゴリの最新記事
|