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カテゴリ:マダラーノフの独り言
昨夜「夜の顔不思議な俳句会」が開かれ、きのこポエム24音詩の近詠を数句披露してきた。 雨ごめの秘仏を仰ぐてのひらに竜の髯の実 雨に降り込められた正月堂で見初めた秘仏。その時懐いた鮮烈な思いは、道すがら見つけた竜の玉の青い実でしか言い表せないものであった。てのひらにしっかりと竜の玉を隠しもって秘仏と真向かうという設定。冬立つ日のことである。 その11月8日以来、僕の中では島ケ原時間が時を刻み始めている。何かが音をたてて崩れ、新しい何かが確かに息づきはじめた。 峡(かい)の空覆い伸びゆくハイウエー紅葉客満ち もみぢの名勝武田尾温泉は、河から数分離れると渓谷を渡す新名神ハイウエーの橋脚が高層ビルさながらに林立。しかし、その下では紅葉客が黒山の人だかり。自然愛好家大はやりのわが国のちぐはぐさ。 列島のにわかハロウィン不沈マクドナルドに微震 自由の国アメリカの世界制覇の象徴であったマクドナルドがほんのわずかの異物混入以来低迷を続けている。世界の警察国家アメリカはテロに翻弄され、そんなアメリカに翻弄されるわが列島弧。今年の冬は、ハロウィンのコスプレが街を闊歩していた。この対比がいかにも日本らしくて。 呪いつつウオッカあおる映画観て星冴ゆる街 ロシア映画『裁かれるは善人のみ(原題:リヴァイアサン)』を観て欝々と夜雨に煙る都心の街へ紛れ込んで行く私。 大阪に空なしどぶと人ごみと・・・小鳥来る路樹 大阪の街を走っていると、いつも思うことだが、頭上に高速道路が縦横に走り、ドブ河が街を寸断し、人で溢れている。大阪には空が無いなんて『智恵子抄』みたいな言い草になるがそんな思いがしきりだ。しかし、どこからともなく小鳥はやって来て冬近いことを知らせているし、路樹も色づき始める。 落ち込みに鷺並び居て神無月朔の朝焼け 11月12日にはじまった和暦の神の留守となった朔。鷺(さぎ)が堰堤の落ち込みに三々五々立ち尽くしていた。そんな神無月も今や十六夜(いざよい)。今朝はその有明月に見送られて出勤した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月28日 00時29分44秒
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