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カテゴリ:マダラーノフの独り言
2012年7月の千丈寺山 縁あって4年余り三田奥に毎日仕事に通っていた時、いつも眼前に威風堂々たる姿を誇示していた山がありました。男くさい山容で、山岳部時代に通い詰めた後立山連峰の五竜岳に通じるところがあり、いつか三角点を踏んでやると思いながら、ついに果たせず、都心に近い職場へ変わってしまいました。
この正月、2017年よりきのこ暦第4期8年が始まるのに先立ち、身辺整理をしているうちに、千丈寺山制覇を果たしていないことが浮き彫りになってきましたので、列島各地に寒気団が居座っている本日、絶好のチャンスとみて、いよいよ決行してきしました。 乙原・てんぐの森からのルートは、渓流沿いの道を一気に稜線尾根まで直登するもので、坂道の歩行は久しぶりでしたのでふとももに負担がかかり、久々に息も絶えだえ。「ずいぶんおじんになっちゃったな」と独りごちながら、「おじんはこんな愚かなことはしないもんね」と、体力はさておきとりあえず全否定。 人影とてない三田盆地のど真ん中の山中で、てらつつき(啄木鳥)のトーキングドラマ以外は無韻の半日。透徹した大気の中で、噴き出す汗に身体中の経脈がすこんとぬける心地さえしてしあわせなひとときを満喫してきました。
直登ルートの2/3ほど高度を稼いだところにある庚神(庚申と荒神の混交文字)さん。ゆずりはの葉を挟んだすがすがしいしめ縄に松飾り、手前に手水の石組みまであるもので、麓の村人の手厚い手入れのほどが伝わってきます。
太ももに乳酸菌がたまりにたまった頃、稜線尾根に差し掛かりました。ここには松住権現という修験者が神事を行うことのできる石造りの祠と護摩壇がありました。ここから尾根を10分ほど北へ行くと北千丈寺山頂上(576.6m)にいたりますが、なんの変哲もないところで、とりあえずピークにしておこうといった雰囲気でした。
クヌギの木に山歩きの会のプレートが1枚かけられているだけの北峰。
ふたたび松住権現に戻り、南方向に同じく10分ほど行くと磐座が出現。この磐座を途中から迂回するように回ったところに祠があります。
振りさけみると、富士山と同じで登るより眺めるほうがはるかにいいやと思ってしまう北千丈寺山の見事なシルエットが。
千丈寺山頂上の磐座をご神体とするような祠が。合掌して「ごめんなすって」と扉を開けてご神体をのぞいてみると「千丈寺山大権現」のお札が。
千丈寺山は来てみてびっくり。最高峰の大船山にも三田の方々のピークにもない一等三角点がでんと据えられていたのです。ここ南千丈寺山は、標高589.6mですが、それなりの理由があって一等三角点なのでしょうね。こんなことはもやはり来てみてはじめてわかること。来てよかった。
磐座のうえから三角点をパチリ。今日はもうひとつ楽しみを携えてきました。山頂でドリップ珈琲をたしなむこと。 ブラジルセラード農園のブルボン・クラシコ。さすが天国にもっとも近いところで飲むコーヒーはうまかったので、病みつきになりそう。「コールマンのコンロ買っちゃおうかな」なんて思ってしまいました。
尾根筋は快適そのもの。帰りたくなくなるほどでした。
南千丈寺山手前のもうひとつの磐座から乙原方面を望むとこんな具合です。
急斜面の庚神さんがなぜか気になりましたので、帰りに祠奥をのぞいてみると双体神で、道祖神かあるいは猿田彦系統の神のような気がします。榊のお供え、もり塩、イイチコのお神酒が供えられていました。 類いまれなすがすがしさいっぱいの山旅。5年越しの課題克服はあっけなく終わりましたので、篠山へ出て鯖寿司を玉川楼で買い求め、ドライブをして明るいうちに帰れて夜の時間が確保できたのもうれしいことでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年01月28日 11時28分02秒
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