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2017年11月08日
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 さて、子供の頃よく出かけた宝塚ガーデンフィールズ跡地(かっての宝塚ファミリーランドか?)は、トポスの霊気ただよう廃園となっており、この場所を借景にした作品群が展開されていてとても興味をもって歩いた。
松井コーへーの「葉っぱの花」は垣根の葉をピンクに染めただけのものだが、この場所にもっともふさわしい作品と思えた。




 「風景をなぞる・2017」の岡野ひろみ作品でしょうか?。この廃園では赤をもちいた作品が容易に見つけ出すことができ、それが成功につながっていると思えました。制作意図と色彩の関係も、こうした人工がついえ去り自然へと回帰する過程にある廃園では重要なファクターとなるなと感じたことです。
    


 畠山忠美の「アート傘」。雨の廃園には、この傘がよく似合うのではとのコンセプト。なかなかすてきなレイアウトでした。
   
 升田学の「ツツゆらら」は藤棚を洩れ来る光を感じさせる作品でとても印象ふかいものがありました。

  
 大坂南の御蔵アートの土師清治さんの作品「支える」は、あんぐりとしたオープン・スペースのため、当初の企図から転じたものとみえ、私には「ボーダー」あるいは「かぎる」という作品にみえました。

 手前は大野良平さんの作品「記憶のかけら」か?。彼方の欄干の作品は樋口尚さんの「無題」。





 篠崎裕子の「畏敬」。自然への畏敬の念や宇宙絵からのエネルギーを自分というフィルターを通して作品化するという現代のシャーマニズムにも似た作品。オープンスペースでの展示ならもっと迫力があったと思えますが、しかし、すごいオーラが感じられました。

 この跡地でホッと息抜きできる作品が佐藤浩二郎の「宝塚ケロ組公演・ウエディングパーティ・ムスビノウタゲ」




 古川コスミの「記憶」。文字と記憶の風景のイラスト。のぼりや旗などの文字作品は、この廃園ではやや違和感がただようものでしたが、このはかなげな作品を眺めていて「なるほど」と合点するものがありました。

 タケモリチエコの「ココニイル」は閉鎖空間に置かれたせいか、動物園のおりの中の動物の亡霊のようにも思えました。作者の意図に反して、展示場所によって作品のオーラの発現の仕方、鑑賞者のうけとめかたにも雲泥の差が生じるものだなと感じたことです。


     
 今回期待していた山下克彦+堀尾貞治作品の水路をまたぐものは、制作意図が十分に伝わってこないもので、いささかがっかりしました。後でアトリエ「草」のオーナーさんと話した時、強風で飛ばされたのではと言っていました。自然相手の野外作品では、そうした想定外の出来事にも対応する形で制作しなければならないので「さもありなん」と思いました。が、とても残念。 
  
 同じくガーデンフィールズの池の跡に展開した滑川みささんの「あかたいら」は、またのちに紹介する友金アパート屋上の「あおだけ」との二部作と思われるものでなかなか面白いストーリーが感取できる作品に仕上がっていました。先だっての川西美術協会展での澤山画伯のアブストラクトアートやインスタレーションアートに接して常々思うことは、作者独自の言語体系を感じさせるものが私には分かりやすい。その意味で滑川さんの作品はすごいと思いました。
 絵画はメッセージではなく、存在そのものという世界を探求している柴田知佳子の作品は、鮮やかな青の顔料を用いた迫力のあるもので、サマーハウス跡の空間に据えられた作品は作家の意図を超えるものであり、とても印象深いものがありました。また出会いたい作品として記憶に深くきざまれたことです。
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最終更新日  2017年11月09日 21時33分57秒
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