ホルガ―・チューカイ『MOVIES』 マーティン・スワンの『MOUTH MUSIC』
毎月の第3日曜日開かれるラボMの今月のサロンは、森田一哉氏のハイブリッド・ロック・ミュージックへの招待。
エルヴィス・プレスリーに始まったロックという音楽は、英国、ドイツへと波及し洗練されていく中で、とりわけドイツで大きく成長を遂げたというプログレッシーヴ・ロックの魅力を彼の豊富なコレクションから引き出しながら語っていただいた。まず、ドイツの前衛ロックバンドCANのベーシスト、ヴォルガ―・チューカイの1978年のアルバム『MOVIES』。続いてマーティン・スワン(英国)とダリサ・マッケンジー(米国)のユニットアルバム1990年発表の『MOUTH MUSIC』。
私にとっては手に汗握るとても刺激的な内容となったので、ここで中休み。持ち寄りのお菓子やラボの地ビール、カモミール茶などで息抜きした。
第二部は、スコットランドのソングライター、ジェームス・ヨークストンとのアラブ系ミュージシャンの2017年のコラボアルバム『Neuk Wight Dehi All Stars』そしてガラリと趣きの異なるイタリアで1973年結成され、今日まで続くプログレ・ロックバンドの『Opas Avantra』と続き、最後はアイスランドのロック・バンド Sigar Ros の2001年リリースされたタイトル、曲名ともになしのセカンドアルバム。彼はこのアルバムを21世紀ロックシーン最大の名作と熱く語った。
J・コルトレーンの『アフリカ』の1年前にジャズの洗礼を受けた私にとって、ビートルズやロックはじゃりン子音楽と受け止めてしまったので、ロックの素晴らしさにはなかなか参入されてもらえなかったが、今回従来の固定観念からまったく離れた形のロック・ミュージックとりわけプログレの数々を聞かせて頂き感激であった。
そして、森田さんはフィナーレのおまけの1曲としてクイーンのCD『A Night At The Opera』の曲の後、英国・国歌へとつながる「ボヘミアン・ラプソディー」を流していただき、プログレの良いところをすべて採り入れて出来上がったこの曲が良くも悪くもプログレ・ロックの集大成だという説明にうっとりと納得して終わった。クイ―ンは近年ベストアルバムが多数リリースされているが、ボヘミアンラプソディーが冒頭に入れられているのなどは最低。やはり、このCDのような選曲が唯一無二のものとこだわりを見せるところなど、うれしいかぎりであった。
このかけがえのない話はぜひ第二弾をと森田さんにお願いしてかくして当日のお茶会は終了した。次回がたのしみである。