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2021年05月20日
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カテゴリ:きのこ目の日本史

​​​​      阿加流比売(​あかるひめ)伝承は、『古事記』には、応神紀に新羅の王子・天之日矛(あめのひぼこ)の妻になったが夫婦喧嘩をして親の国に帰るといって小舟に乗り込み難波の津へ逃げ、そのヒメが難波の比売碁曾社に祀られる阿加流比売の神であるとされる。
 私がこのヒメコソにこだわるのは、この神がもうひとつの王統の太陽神であったと思われるからだ。コソとは社のことなのでヒメコソはヒメ社というほどの意味だ。このヒメ神は、宇佐をはじめ神功皇后伝説に付随して多くの神社にその痕跡が残されている。 
​​​​​​​​​​ 『日本書紀』には、垂仁紀に意富加羅国(おうからこく)の王・都怒我阿羅斯等(つぬがあらひと)が妻にしようとしていたが、目を離したすきに東方へ逃げ去り​​​​難波に至って比売語曾社の神となり、あるいは豊国の国前郡へ至って比売語曾​​​​​の神となったとされる。
​​ さらに『摂津国風土記』逸文(原本は失われたが他の文献に引用されたりして残存している文献資料)には、応神天皇の時代に新羅の姫が夫から逃れて筑紫国の「伊波比の比売島(国東の姫島)」に住んでいたが、ここでは新羅に近くすぐ見つかりそうなので難波の島に至り、以前住んでいた島の名をとり「比売島」と名付けたとある。それが西淀川区の姫島神社とされている。
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   いずれの神話もアカルヒメは太陽の光に感応して女が産み落とした卵から生まれた神とされ、また赤瑪瑙の玉の化身とされることから太陽神伝説につながり、この伝承には秦氏の関与が濃厚である。
 『古事記』の難波の比売碁曾社に比定されているのが玉津3丁目交差点西の比売許曽神社だが、主祭神は大国主命の娘の下照比売命とされているのは以前お話した。この名前からも太陽神伝説につなげようとする意図が濃厚である。さらにここには開拓神として大小橋命(おほこばせのみこと)が摂社の産湯稲荷に祀られており、天児屋根命13世の後胤とされ中臣の藤原氏に帰属させられている。
 我が国の皇祖神を男性の太陽神から女性の天照大神に移行する以前の段階で各氏族が太陽神を祖神とするための水面下の本家争いがあったことが偲ばれるのは面白い。
 それはやがて本家争い以上に我が国の神道という土壌に仏の世界を接ぎ木するという神仏習合の壮大な宗教文化形成に大いなる役割を果たしていったと思われる。  


 さて、その味原の産湯稲荷神社は、玉津3丁目交差点の比売許曽神社からJR鶴橋駅をはさんだ西の味原交差点からやや登った小高い味原の地にあった。江戸期には桃林があったとされ桃山の地名も残っている。
 大小橋命(おほこばせのみこと=意富<多>をとどめていることに注意)は、味原郷に誕生。その産湯に用いたのが境内の玉井
(たまのい)​の水で​産湯稲荷神社元社とされ、現在は比売許曽神社の御旅所とされる。かっては味原池に隣接していたらしくその池は埋め立てられ現在は公園になっていてその面影はないが上町台地の伏流水が地表に噴出した池だったのかも。​​​​​

 左の石標に桃山跡と比売許曽神社御旅所の文字。

 なぜか稲荷社なのにお狸さんらしき動物(右)がうやうやしく祀られていたのは大阪人独特のユーモアか?!。

産湯稲荷社の本殿。

 こちらが産湯の井戸とされる玉井

 境内の玉井の鳥居前で朝鮮朝顔が出迎えてくれたからというわけではないが、私にはヒメコソ神社にはこちらの方がふさわしいと思われた。
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 延喜式の式内社であったことから、以後の歴史の中で所在不明になってしまった​​​​​​ので後々それぞれの神社の宮司たちがわれこそはヒメコソの本家であると表明したため各地に出現したものと思われる。稲荷は秦氏の伏見大社に連なるものだ。
 西淀川の姫嶋神社と平野区の杭全神社の飛地境内社にある赤留比売神社にも阿加流比売神が祀られており、岡山の総社市福谷にもあるという
 このことが私にとって重要なのは、その所在地が河内の当時武庫川から淀川、大和川河口部のラグーンを成していた地域を筆頭に豊後、吉備に散見され、この姫が天之日矛命やツヌガアラヒトの来日譚につながるためである。アカル姫を探す旅はまだ続きそうだ。






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最終更新日  2021年05月20日 17時38分45秒
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