アザミは俳句では春の季語だが、初冬まで咲いている。井上陽水も♪~夏が過ぎ風あざみ~♪と歌っているように夏が盛期の感じがする。アルプス通いをしていた時期にはタムラソウという高山植物のアザミみたいな花にはなじみが深く、秋にさほどおいしくはないが、その実をたらふく食べた記憶がある。「アザミ嬢のララバイ」なんて歌もあったっけ。そんなアザミはじっくり見る機会はなかなか無い。最近、街中ではアメリカオニアザミが繁殖して、このトゲは大きく有刺鉄線のようで、下手すると大怪我をするくらい硬い。踏んづけて抜こうとして厚いゴム底の靴を通して足を傷めたことがある。先月、猪名川上流部でアメリカとか鬼とか抜きのアザミ嬢と出会いしばし見惚れた。
今年はじめて出会った花にキウイの花がある。こちらは家庭菜園などで栽培している人にとっては馴染み深いものであるが、私は初めて「これがキウイの花ですよ」と教えてもらって感激した。
幾つになっても知らないことだらけで本当に嫌になる。
古代史も奈良時代が私の主要テーマなのだが、わが国最初のバブル期を迎えた奈良時代は、アジアの中で日本が輝くのは、実は蘇我氏の時代に端を発している。蘇我氏も国賊から名誉回復が進んでいてうれしいかぎりだ。
そんな蘇我氏のことは、行きがかり上これまで10数冊読んできたが、今回手に入れた武光誠の『蘇我氏の古代史』(平凡社新書)は本当に感動した。文章の一行、一行に学問的な裏付けが光っており、蘇我氏の時代の飛鳥の様子が臨場感ゆかたによみがえってくるのを覚えいささか興奮した。最近は感激したり興奮したりすることが多すぎる。加齢あるいはカレーライス症候群なのかな?!。