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カテゴリ:マダラーノフの独り言
霊芝(マンネンタケ)は、私にとってはいつの頃からかキヌガサタケシーズンの始まりを示す指標となった。このきのこが竹林の周辺や古木の根元から顔をのぞかせはじめると、きのこの女王・キヌガサタケのことを想いそわそわしてくる。 出始めは巨人の爪楊枝のようなスティック状(写真上)だが、だんだんと頭部の黄色が鮮やかになり宇宙人の頭のようになる。人間でいえば、ちょうど思春期の頃に相当するであろうか。 そして冒頭のモンキーのベンチ、あるいは仙人の杖のような形となって完成する。かっては中国に倣い瑞兆とされ、とりわけ三つ別れしたものの頭部にさらに三つ別れして発生したものは三枝(幸草の転訛か)と呼ばれ、それを瑞兆として宮廷に献上した者が三枝(さえぐさ)の姓を賜姓されたという記録が残っている。 ほとんどのきのこがそうであるように制癌作用があり、細かく削って煎じたとても苦い抽出液を飲むと効くそうだ。ただし制癌作用はあっても癌細胞を殲滅する作用はないので、効いたかどうかは人それぞれ。この目的に供する場合は、梅の古木から発生したものが最も効果があるとされ高価に取引されているようだが、効力にさほど差があるとは思えない。 私は、三輪山の麓の狭井神社のさき草、奈良町の率川神社のさきくさ祭の山百合は、中国や朝鮮半島で図像学的に不老長寿のシンボルとされた霊芝が原初は用いられたのではないかと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月11日 12時57分43秒
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