合歓(ネム)は私の大好きな花のひとつだ。最近は街路樹として山坂がちの神戸でも植えられるようになったが、やはり渓谷の空をかぎる合歓が一番だ。梅雨の頃、夢見心地の花をつけた合歓と出会うとうっとりしてしまう。
これまでは、遠目に愛ずるばかりだつたが、武田尾で間近にながめることができた。なんと合歓の花はそこはかとなく甘い香りを放っていた。これは新しい発見であった。
それは桃のような香を放っていた。まもなく渓音にかじか蛙の声が混じるようになると花期は終わる。六甲山上でもところどころ合歓は咲いており、こちらは後ひと月ほど楽しめそうだ。この花が終われば僕の大好きな季節が始まる。ちょうど1週間前の21日の月曜日が夏至だった。すでに暦の上では夏のクライマックスは過ぎことになるが、体感的にはこれからが本格的な夏の季節。生き物たちの生と死のドラマも間近に展開する。
そういえば、昨日の丸山湿原で私が皆から離れてシロイボカサタケと対話をしていたとき、道中の谷川でオオルリが間近に姿をみせ鳴き続けていたところでみんなが足止めを食っていたので戻ってみた。すると巣穴に蛇が近づいていたらしく、オオルリの雌雄2羽がまさに体当たりせんばかりの勢いで必死に追い払っているところだった。
ホバリングのオオルリと画面右下にちらりとS字のシマヘビの姿がみえるだろうか?。
昨日の旅のメインイベントはこのシーン。夏はこんな一期一会の出会いが待ち構えているのでワクワクする。