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カテゴリ:ぼくの新しい仲間たち
ミズゴケの間から発生するきのこのヒメコガサは小型のきのこだが、さらに小型のきのこがヒナノヒガサである。 ヒナノヒガサ Gerronema fibula ひなは田舎とかお雛様のひなに由来する言葉で姫に通じ小さくて可憐なというニュアンスがふくまれる。前回のヒメヒガサと一目みて区別できるのは傘の中央が凹むこととヒダが粗いことである。ヒメコガサと同様で湿度の高いおりには条線をあらわす。 この雛の日傘のさらに小型で同形のきのこにミズゴケノハナがある。 ミズゴケノハナ Hygrocybe coccineocrenata こちらはヒナノヒガサをさらに細めたもので、ときに傘の中央がへこむことがあるが、条線はつかない。色は盛りの頃は赤いのですぐに分かるが、やや老たけた姿は明るいオレンジか白っぽくなるので見分けがつきにくい。しかし、傘の大きさが限りなく柄に近いマチ針状なので容易に区別はつく。 ミズゴケからはこのように似通った小型きのこであっても前回お知らせしたヒメコガサ(ケコガサ属)、ヒナノヒガサ(ヒナノヒガサ属)、ミズゴケノハナ(ヌメリガサ属)と、素性も性格も異なるきのこがひょっこりと顔をのぞかせる。ミクロの世界にもさらにマクロからミクロへとまさに華厳経でしめされたような<多即一、一即多>の世界が広がっている。 きのこの本当の面白さは、この私たちの棲む世界が決して目に見えるものだけから成り立っているのではないことを私たちにやさしく語りかけていることだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月22日 09時01分29秒
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