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カテゴリ:ヘテロソフィア・アート
Summer of Soul 行ってきました。上映時間を調べてあーぁ行けないなと思いましたが、更に調べると神戸のシネリーブルではレイト・ショウならぬアーリィ・ショウがありました。午前9時の部を設けてくれた映画館に感謝です。 非常にしっかりとした構成のドキュメンタリータッチのフェスティバルライブ映画で『真夏の夜のジャズ』をはるかにしのぐ熱気にあふれた作品でした。 1969年ウッドストックと同時期ニューヨークのハーレムのど真ん中のマウント・モリス・パーク(現マーカス・ガーヴェイ・パーク)で6月29日~8月24日までの6週間、日曜ごとに開かれたハーレム・カルチュラル・フェスティバル。のべ30万人を動員したフェスティバルでしたが、その記録は50年間公開されることなくお蔵入りになっていました。 別名ブラック・ウッドストックの名で記憶されることになったこのフェスをよみがえらせてくれた監督はアミール "クエストラヴ" トンプソン。 おりから黒人の公民権運動の真っ只中、1963年ケネデー暗殺、65年マルコムX暗殺、前年の68年キング牧師が射殺され、ハーレムは暴発寸前の時期に黒人社会に思い入れの深い J.リンゼイ市長の肝いりで開かれました。 もちろんそんな時期のことでしたのでガス抜きの必要に迫られたこともあったでしょうが、この前代未聞のブラックパワーフェスティバルに立ち会った人たちは、一様に「音楽ってなんて素晴らしいんだ」と再確認したことでしょう。 冒頭、11歳でモータウンよりデビューし脱皮しかねていた19歳のスティービー・ワンダーが登場、ドラムとキーボードの見事な演奏を聴かせてくれます。B.B.KING、グラディス・ナイツ・& ザ・ピップス、スライ & ザ・ファミリー・ストーンズ、デイヴィッド・ラフィン、ザ・フィフス・ディメンション、レイ・ヴァレット、ザ・ステイブルズ・シンガーズと僕らにもおなじみだったソウルグルーブが次々に登場、乗りまくりの演奏の数々で魅了してくれます。南アから抜け出してきたヒュー・マセケラの見事なトランペット。 36歳を迎えて闘志満々のニーナ・シモン↑。気分がすぐれないので助けてねといってメイヴィス・ステイブルズとの思いがけないデュエットを演じたマへリア・ジャクソン↓。これは最高でした。 さらにモンゴ・サンタマリアなどなど、ハーレムを住み分けているアフリカ系、ヒスパニック系の人たちがラテン、ジャズ、ブルース、ゴスペル、アフロミュージック、ポップスと多様多彩な演奏を爆発させたこのフェスティバルは、当時のアメリカの状況を考えるとお蔵入りになって当然の内容で満ち満ちていました。この会期中にアメリカ社会の格差を象徴するアポロの月面着陸が伝えられます。 ジャズではハービー・マンのフルート、マックス・ローチのドラムスとアビー・リンカーンのコーラスを聴くことができました。これは改めて近々ご紹介しましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月03日 16時41分52秒
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