夢みるきのこ
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ミズタニカエコさんの心の師匠であるという物部隆一さんが西天満のギャラリーH・O・Tで開かれるというので急遽訪ねてきた。 西天満の小学校のほとりにある画廊では、私たち昭和生まれの者にとっては懐かしいアヴァンギャルド絵画が並んでいた。現在では極く普通の作品群であるが、60年代には最先端であったであろう画風に接し「おお!」と思わずうれしくなる風景にしばらく身を置いてきた。都会の喧騒から隔たった空間ではあったが、そこにに60年代のブラックミュージックとしてのジャズがまざまざと流れていた。 作家は、目下鳥取県在住とのことで在廊しておられなかったが、ギャラリーの方から京都生まれでもともと日本画からスタートしたと聞いてなるほどと思った。 開戦へまっしぐらに暴走を始めた列島に生を受け、敗戦後の復興期に青春期を迎えた物部青年と同世代の若者たちには限りない可能性に満ちた時代であったことが、これらの屈託のない画風から溢れ出していた。 1959年日本画壇に対抗する形で誕生したケラ美術協会の設立に関わったというから芯からの反逆児であったと思われる。ケラは素寒貧・おケラのケラではなくラテン語のcella、アーティストの本源的な姿である<細胞>あるいは<地下貯蔵庫>という意味だ。 訪ねたのが昼時だったお蔭で<つゆおとなう人とてなく>、画廊の方と物部さんについて淡々とお話を聞くことが出来、束の間しあわせなひとときを過ごことが出来た。 物部さんは国際的なアーティストとして作家活動を展開するかたわら、教師としての生活を続けられアートの素晴らしさを全身で教え、世代を超えて教え子たちをアートの世界へいざなうことにとても意欲的だったというので、カエコさんもそんな中の一人であろう。 若書きの頃の作品も是非のぞきたい思いに駆られたが、また追々機会もできる事だろう。
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