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カテゴリ:ヘテロソフィア・アート
去る12月4日芦屋の月光百貨店で開かれていた個展を訪ねてきた。所せましと居並ぶ作品の脇に、機が熟したのであろう、作家さんも居られてすでに旧知の間柄ではあるが、1年越しで初めて顔合わせの機会を得た。直接お話すると意外な知人友人たちとつながっており、中には10年以上も会っていない老舗天婦羅料亭のオーナーで友人のTの名も出て来たのには驚いた。世の中狭い。 コラージュという手法は、アートの中でも最もメッセージ性が強く、複眼的な視点を導入し得る複製(コピー)芸術としてきわめて現代的だと考えているので、それを肩書にしてきたこの作家には少なからず注目してきた。 今回、造形作品にも目覚めたという作家だが、しばらく見つめ続けよう。 個展のたびにこうした作品集を同時刊行してくれるのもうれしい。 今回注目したのは「ありえない縮尺」と題されたこの作品。 和詩には定型詩の短歌と俳句があり、映像に動画と写真があるように、時間の経過を盛り込んで詠みあげる作品(短歌・ビデオ)と、その時間の流れの中から一瞬を切り出して表現する瞬間芸術(俳句・写真)がある。 コラージュは様々な時間の断片を切り出して再構成する手法が基本なので、写真芸術に酷似する。しかもそれは俳諧歌仙の発句、すなわち共同作業によって生み出される俳諧の連句にきわめて酷似する我が国の伝統的なポエジーにもつらなると私は考えている。 デジカメ時代に突入し、銀を用いるフィルムが不要となったことで、かってのような決定的瞬間を狙うという概念そのものが消滅してしまったが、この瞬間を形にする精神そのものまでが失せてしまったわけではない。 アートというものは基本的には瞬間芸術なのである。これが表現世界において微妙な差異を生み出し、鑑賞者の好みも分かれてくる。 連続、非連続のいずれを自身の表現とするかの覚悟が備われば、この作家の作品は凄いものとなる。そんなことを考えながらMoon Light Depatment Storeを後にした。 明日は去る11月28日の川西きのこクラブの2021年納めの会のきのこたちの話をしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月07日 14時57分00秒
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