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カテゴリ:マダラーノフの独り言
都市近郊の田畑は近年、比較的荒れ田、荒れ畑が少なくなったが、それでもこうした広い田地がセイタカアキノアワダチソウとススキの版図争いの場となっているのを見かける。 きのこにフェアリー・リング(菌輪)という現象があるが、菌糸体が同心円状にコロニーを広げる中で、なんらかの淘汰圧がかかり、その先端部分にリング状にきのこを発生させるものだ。そこは、皆が寝静まったあと、妖精たちが輪舞を踊ったあとと言われてきた。 ここでは、アワダチソウに包囲された四面楚歌そのもののススキが銀の穂波を輝かせ、凛と陣地を固守しているさまは見事である。ここが放棄された休耕田でなければ、詩情あふれる野の風景であったろう。 今年の秋の、とある美しくもかなしい風景の一コマである。 こちらはイトヒキミジンアリタケと出会った多田銀山奥の休耕田である。泡立ち草が優勢種となってススキの姿は微塵もない。私はこうした枯れ泡立ち草の群落に出会うと80年前の日本が開戦に踏み切らざるをえなかった大衆の目には見えない暴力を感じてしまう。今の日本の状況をもなんとなく彷彿させる風景ではある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月09日 09時17分56秒
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