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2022年02月17日
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カテゴリ:きのこ目の日本史


 神武東征の第一歩は、貴志川線の竈山駅にある竈山神社(かまやまじんじゃ)​から始まる。
 日本書紀にみられる日下​(くさか=今の近鉄枚岡駅から見下ろすあたり一帯)​に上陸して大和入りしようとした神武軍は、激戦の末神武の兄の五瀬命(いつせのみこと)が蝦夷(えみし)の長脛彦(ながすねひこ)軍の放ったトリカブトの毒矢で傷ついたため上陸をあきらめ再び船に乗り込み南下、雄の水門(おのみなと=堺から和歌山市にいたる海岸部、ちぬの海と呼ばれたところ)あたりでお亡くなりになり紀の川河口部に埋葬されたと伝えられる。その五瀬命を葬った古墳が竈山だとされます。

​​​ 四国東端・東阿波の大麻彦神社近くの萩原1・2号古墳と大和桜井のホケノ古墳の埋葬品、築造法が酷似しており、この宮内庁管理のもとで発掘調査ができない竈山神社の築造法・埋蔵資料などが明らかになると、この神武東征の真実に有力な物証がえられると期待される場所なのです。
 古墳入口にはアオサギがしとどなる雨の中、じっと脇目もふらずお護りしていた。不謹慎きわまりないと定評の私が古墳域内に立ち入ると不動の姿勢をとっていたアオサギくんがにわかに飛び立ったと暖之くんがそっと教えてくれた。アホサギとは思えない立派な墓守りに敬礼。

 ​​由緒書によれば、平安初期に編まれた『延喜式』神名帳には紀伊國 名草郡 竈山神社 とありすでに社があったと考えられるが、豊臣秀吉と根来衆の戦いの折に焼失すべてが灰燼に帰してしまったとか。
 寛文9年(1669) 和歌山城主・徳川頼宣が再建。明治以降は皇国思想の隆盛に伴い社格は高まり、現在の社殿は昭和13年(1938) に造営されたものと伝えられています。
 本居宣長もこの地を訪れ ♪~雄叫びの神代の御声思ほえて嵐はげしき竈山の松~♪ と詠んでいます。
 当時、竈山古墳のあたりは樹木の伐採著しくはげ山となり、遷移の始まりを告げる松に覆われた小山となっていたことがうかがわれます。
 ​日前宮​
 さて、三社参りの最後は「和歌山市中にこんな蒼古の杜が」と司馬遼太郎をも感動させた日前・国懸神宮です。ひのくま、くにかかすと読ませていますが一般市民はにちぜんさんと呼んでいるようです。
 神社にはめずらしく至るところ禁止の札が立てられており、境内では写真もダメとくると何か言いたくなりますが、静かに写真を撮り続けるだけに止めました。
​​
 日前神宮本殿脇にいたヒラタケたちがみている風景
 日前とは天照大神のさらに古い霊ということで、伊勢神宮の八咫鏡とともに日像鏡(日前大神)と日矛鏡(国懸大神)を祭神としている。
 相殿には天思兼命(あめのおもいかねのみこと)​​と天岩戸神話で天照大神の姿を映す鏡を作ったとされる石凝姥命(いしこりどめのみこと)を祀っている。​​

 ​​​​国懸神宮 ​​​​​​​
 国懸神宮の相殿には玉祖命(たまおやのみこと)、天御影命(あめのみかげのみこと)、そして天鈿女命(あめのうずめのみこと)​​​が祀られていることにご注目。
 神武天皇は大和入りして橿原に宮殿を造営されたが、そのときの造営監督は忌部氏(いんべ)であったとされる。この忌部氏の主要な職能は玉つくりや大麻の糸で編み上げる織り方であったことを思い出してほしい。中臣氏(なかとみし 藤原氏はここから分かれた)が王家の祭祀の祝詞や儀式のソフト面をとりしきったのに対し、忌部氏は祭祀のしめ縄や勾玉などまハード面​を担当した氏族である。
 忌部氏は古墳造営から死者にまつわる仕事に携わったため神々しさあふれる忌の文字はのちに忌み嫌われる言葉に転じたため、
殉死にかわるものとしての埴輪づくりも手がけたことから陶土を扱う意味の土師氏や大江氏に改名を申し出、ゆるされた。が、この土師氏ものちには恥に転嫁されることになり、大江氏もまた大江山の鬼になぞらえられ、どこまでも負のイメージが付きまとうことになったのはなぜかなということも記憶に留めておこう。 

 こうして方々の神社の祭神や地名の由来を調べることは、​​​​神武東征の旅の足跡のみならず、かかわった氏族や敵対した土着勢力などの傍証にもなるのである。
 ​ここに祀られている玉祖命からは、大麻彦神(おおあさひこ)が祀られる阿波を本拠地とした忌部氏が深くかかわっていたことを問わず語りに示している。​​​​​​


​​ 国懸神宮神域で暖之くんがお座りになったコフキサルノコシカケ
 いたきそ神社で出会った季節遅れの山茶花​​
​​

 そんなこと、こんなことを「旅は道連れ 世は情け」の精神で、道中に出会ったきのこや生き物や石たちにたずねながらのんびり行きましょう。​​​






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最終更新日  2022年02月17日 12時11分57秒
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