きのこ目の日本史は、我が国古代からの歴史を地球生態系の底辺を占める圧倒的多数(=無きに等しい)を占める微生物の声に耳傾け、きのこという指標生物を辿りながら再構築していく試みです。
いわば本当の意味での日本民衆史を目指しています。とくに明治維新以降は皇国史観によって歴史は大幅に歪曲され、私たち親の世代はそれが正史のように教えられてきました。
私はオリンピックでメダル受賞の際に日の丸の国旗掲揚と君が代の国家が流れると人一倍感動する者ですが、それでも国家ナショナリズムによる歴史の過度な歴史の歪曲は後の世代に禍根を残さないためにも修正すべきだと考えています。
今の天皇の<象徴>というありようこそが経済や政治でバランスを崩しがちな我が国の調整機構としてもっともふさわしい形と考えています。
今年から始まる神武東征の真実をさぐる旅もそのための試みで、日向から来たという説話や熊野迂回の説話や橿原神宮造営までのいきさつはすべて天皇家にまつわる多くの天孫族の別々の説話がつぎはぎし合成された結果と考えています。
また、国賊とされて久しい蘇我氏や聖徳太子(写真上)や長屋王の真実も民衆史の立場から再検討しなければならないと考えています。
あまりに大きなテーマでとても太刀打ちできそうにありませんが、この30年余りの踏査の成果を踏まえながらその端緒だけでも形にしていきたいと考えています。
ただでさえ貧乏暇なしの私ですが、この春からはさらに暇がなくなりそうでうれしい限りです。