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カテゴリ:ぼくの新しい仲間たち
ゆうべの雨が去った数時間、農村部をめぐると今ぐみの実がたわわに実をつけていた。毎日の放課後、飛んで帰って犬のクロちゃんと摩耶山の谷筋や尾根道を暗くなるまで駆け回っていた小学校の頃の唯一の慰めがこのグミの実だった。 口に含むとざらざらと舌にまつわる渋みの中にほのかに甘さがただようもので、決してうまいものではなかったが自然のめぐみとはこのようなものだと思って楽しんでいた。この季節、農家の庭ではゆすら梅も最盛期を迎える。こちらはえぐくはないが、水っぽく甘味も少ないので僕の好みではない。枇杷の実だってさほどうまいと思ったことはない。 しかし、梅雨のころ結実するのには何か深い意味があるのだろう。 わが町三田の農村部の方々にこのグミの木があり、今たわわに実をつけているが、僕が知っている痩せて小粒のグミとは異なり大粒でプリプリしていてみるからにうまそうだが、今の子供たちはコンビニのお菓子のグミならともかく、この実を採ってたべることはない。「鳥も食べてくれませんのよ」とグミちゃんはカメラを構えた僕に訴えかけていた。 うまそうでも味は昔ながらのえぐいもので、現代人の口には到底あわないのが本当のところだ。 しかし、熟れて地面に落ちたらアリさんがしっかりとしゃぶってくれるだろう。それをたのみにもうしぱらくお待ちなさいといって別れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年06月02日 09時03分15秒
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