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カテゴリ:マダラーノフの独り言
澤山輝彦「微毒あり」 夜の顔不思議な俳句会の菊池享くんが事務局をつとめる大阪美術協会の公募展を覗いてきた。うれしいことにわが「月のしずく」の茶屋町一郎(通称:画伯)さんが客員出品していた。 「微毒あり」と題された日本画。巨大号数の絵画が林立する中で比較的小さいサイズの絵で、それらを涼しく微笑みかえすような作品でタイトルともどもなかなかたのもしく感じた。 菊池享「ホワイトホールは存在するか」 享君くんはといえば、「ホワイトホールは存在するか」と題されたオブジェ作品。やはり小品で、円相にこだわりつづけてきた彼のヴァリアント作品だが、1点片隅にポツリと置かれていた。 いっそ「無題」ならいいのになと感じた。 私にとってこうした公募展は、多くの伝統大安売りの俳句の会同様、苦手な部類で普通なら足を運ぶことはまずない。ただ、今回は会場が川口教会のあるエノコジマだというので懐かしさも手伝って立ち寄った次第である。 「伝統と革新」こうした公募展へ行くと、この二つの対語が個々の作品の前に立つたびに私の中でそれぞれ勝手に対話をはじめる。 いずれの言葉も今となっては私には陳腐な言葉でしかない。 そこで、ポエジーとか言霊とかいうべきものを探す目つきになって会場を二巡りしたちょうど良い頃合いに享氏が現われた。 しばし言葉を交わして会場を離れると運河の向こう側でチリチリとかぼそく鳴く蝉の声が聞こえた。うれしい夏の訪れ。いのち輝く夏。「せっかく賜ったいのち。精一杯鳴きなはれよ」と蝉に声掛けしてふたたび仕事びとに立ち帰った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年07月06日 16時27分04秒
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