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夢みるきのこ

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2022年09月28日
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   箕面桜井のZ one ギャラリーとギャラリー トライアングルは、個展とグループ展の企画を双方手掛けている。ここのオーナーの発想力が面白く、その画展はなかなかのもので、今もっとも注目しているギャラリーだ。

​​​ 今回は「奇想の生きもの」展に出かけたが、隣のZ-oneで開催中の荒木晋太郎氏の「なぎの舟」展に強く心惹かれた。作風は琳派を思わせる水葵(みずあおいMonochoria korsakowii )にしぼられており、ギャラリー訪問の目的の後・先が逆になるが「なぎの舟」の紹介からはじめたい。​​

 幻獣作家として出発したという荒木氏は、東北大震災で現地を訪れた際に絶滅危惧種に指定された水葵と出会ったと聞く。
 水田雑草として薬剤駆除の対象とされたほど繁殖力の強い水草であるが、これが震災後、姿を消し始めたことをきっかけに彼の作風も一変したようだ。
日本固有種で万葉集にも植子水葱(うえこなぎ)として登場、いにしえより栽培されていたことが伝わる。若葉や若芽はあく抜きをして食用に供されることもあったようで菜葱(なぎ)とも表記された。なぎの舟のなぎはそんな可憐な青い花いかだを象徴しているのだろう。
 万葉集では、やや小型の子水葱(こなぎ)が
求愛のシンボルとして主としてうたわれているが、ヒト種の繁殖力と化学農薬に敏感に反応するため生息地を奪われてきた。

 絶滅危惧種指定で本体株や花は販売禁止となる中で彼はその種子を育て配布する活動をこの個展に並行して続けているという。その水葵プロジェクトはアートと自然環境問題への取り組みのモデル事業である。


 適地で育てると旺盛に繁殖するため、水稲耕作者にとって害草となる可能性があり、鉢植え限定での育種をお願いしているという。

 こうした生き物と人間の共生の形から生み出されてくるさまざまなモチーフを展開するのは現代アートの重要な流れを形成すると私は信じているので、今後の活動も見守っていきたい。

 ​こうした形で水葵の種子をビンに納めて配布しているという。​​​






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最終更新日  2022年09月28日 18時22分17秒
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