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カテゴリ:ヘテロソフィア・アート
水上勉にぞっこんで若狭狂の桝井亮さんから久々に電話があり、興行最終日だというエストニア映画への誘いがあったので急遽夕間暮れの大阪へ。 久しぶりに歩いた梅田北のシネリーブルまでの道は遠く全く変貌の一途を遂げつつあり、昭和生まれの私には別世界となりそうな地域だと痛感した。 映画は、バルト三国の11月に死者の日を迎えるエストニアの神話に取材したものだが、悪魔に魂をうった寒村での愛し合う男女のエロスとタナトスを前面に押し出したダーク・ラブ・ロマンスだった。 ストーリーもさりながらモノクロ映像がなんとも素晴らしく、もちろんデジタル処理によるものだろうが、私にはかって山岳写真に凝っていた頃に愛した赤外線フィルムの画像の数々を思い出した。 ドイツ支配ののち、ソビエトの共和国の一つとなったエストニアの政治的な桎梏も織り交ぜながら、死者と聖者とカソリック教会と死霊や精霊の同居する神話世界と現実の交錯する幻想的な映像には魅了されっぱなしだった。 まもなく神戸の元町映画館で上映されるらしいが、ロシアともヨーロッパとも異なる北欧圏の文化が香り立つ東欧映画で映画ファンなら必見の作品である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年01月13日 10時58分59秒
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