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夢みるきのこ

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2023年07月21日
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​ 牧野さんの伝記『らんまん』を毎朝楽しみにしているが、80年代にはじまった我が国の民学共同の博物学の終焉を多分に懐かしみを込めて放映しているのが面白い。サンリオがキティちゃんやスヌーピーの版権を売りさばいて日本国中キティちゃんだらけになったファンシーグッズ業界の80年代の記憶が甦ってくる。私は90年代はじめに40年も早く、これから台頭してくるアマチュアの菌類博物学の終焉を明確な危機意識をもって主張し、日本キノコ協会を創った。しかし、当時はどんなに手を変え品を換えて説明しても微生物相手の学問にアマチュアが貢献できるのは文化面でしかないという私の思いは届かなかった。しかし今、ようやくやっとその主張が理解される時代に差し掛かった。21世紀にふさわしい新しい菌類博物学は、きのこが好きで好きでたまらないという​牧野博士と根は同じながら、微生物学としての菌類学から逆に目に見える微生物・きのこの新しい博物学としての楽しみ方を満喫するものでなければならない。いよいよ本当の意味でのきのこの時代の幕が切って落とされたのだ。アーティストのためのきのこ学こそがこれからのトレンドとなるだろう。
 根絶どころか益々世界大戦の様相を呈しはじめた戦争という覇権争い。最も深刻な核の脅威にさらされた我が国が我が身を顧みることなく率先して原発輸出大国の夢をごり押ししようとする現政権。これに対抗できるのはもはや目に見える微生物・​
きのこ相手に格闘してきたきのこ愛に満ちたアーティストたちの芸術運動しかないように思える。それは2度に及ぶ唯一の被爆国である我が国でなければ成しえない。かつてのシュールリアリズムを凌駕するすべてのジャンルの芸術家、文学者を動員しうるながれをつくり対抗する以外にない。


 『らんまん』は、その意味でもきのこという両義的な生き物の新しい博物学を考える上で愛おしさとともにとても示唆に富んだドラマであることは喜ばしい限りである。21世紀の牧野さんは、分類学ではなく可視・不可視世界の複眼をもったマルチ・アーティストの時代なのである。

 昨夕と今朝の散歩で驚いたのは、牧野さんもびっくりのタイサンボクの花が盛夏の昨夕蕾をつけ、今朝花開いたこと。まさに爛春爛漫の風情であるが21世紀の新しい博物学はこうした激しい気候変動にも対応しうるものであることを付言しておきたい。


​ そんなことをあれこれ思いながらいささか興奮気味に帰ってきたら「何か鼻息荒いね」とオオエグリシャチホコくんがクールに出迎えてくれた。​

​​オオエグリシャチホコ ​Pterostoma gigantinum​​​​​
 フジ棚を棲みかにして成長する。きのこでシャギーメーン(ぼろをまとったご婦人)と言えばササクレヒトヨタケのことを言うが、こちらは大人になりきれない蓑虫と言った風情のモスラちゃんだ。このクシャクシャ感がなんとも言えない。​​






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最終更新日  2023年07月21日 11時58分05秒
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