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カテゴリ:きのこと発酵文化「月のしずく」
牧野さんの伝記『らんまん』を毎朝楽しみにしているが、80年代にはじまった我が国の民学共同の博物学の終焉を多分に懐かしみを込めて放映しているのが面白い。サンリオがキティちゃんやスヌーピーの版権を売りさばいて日本国中キティちゃんだらけになったファンシーグッズ業界の80年代の記憶が甦ってくる。私は90年代はじめに40年も早く、これから台頭してくるアマチュアの菌類博物学の終焉を明確な危機意識をもって主張し、日本キノコ協会を創った。しかし、当時はどんなに手を変え品を換えて説明しても微生物相手の学問にアマチュアが貢献できるのは文化面でしかないという私の思いは届かなかった。しかし今、ようやくやっとその主張が理解される時代に差し掛かった。21世紀にふさわしい新しい菌類博物学は、きのこが好きで好きでたまらないという牧野博士と根は同じながら、微生物学としての菌類学から逆に目に見える微生物・きのこの新しい博物学としての楽しみ方を満喫するものでなければならない。いよいよ本当の意味でのきのこの時代の幕が切って落とされたのだ。アーティストのためのきのこ学こそがこれからのトレンドとなるだろう。
昨夕と今朝の散歩で驚いたのは、牧野さんもびっくりのタイサンボクの花が盛夏の昨夕蕾をつけ、今朝花開いたこと。まさに爛春爛漫の風情であるが21世紀の新しい博物学はこうした激しい気候変動にも対応しうるものであることを付言しておきたい。
オオエグリシャチホコ Pterostoma gigantinum お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月21日 11時58分05秒
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