夢みるきのこ

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　ビーバームーンの次の日。雲は独特の表情を湛えて広がっていた。

　吸蜜植物のアペリアは、蜜を与えるチョウや羽虫が遠のいても沢山の花をつけて越冬する虫たちの憩いの場を提供する決意らしい。見上げた志にほっこりした。

　ウメノキゴケがアメリカフウの幹に。

　見上げるとフウの実が。
　まわりをみまわすとフウの実だらけ。

　花の盛りを迎えた山茶花や藪椿のカメリア属に混じって乙女椿もちらほら。ひそかな出会いの愉しみを抱かせるこの花の魅力には老いの愉しみ以上に捨てがたいものがある。

　私にとっての聖地であるこのあずまや。覆う木々はほぼ葉を落としてしまったが、コゲラがきて打刻の響きを奏でていた。​​​