メタセコイアもみじ。晩秋の燕岳に独りで登った時の思い出がよみがえる。もっともその時はメタセコイアではなく全山カラマツ林だったが、日を返しきらきらとかがよいながら絶え間なくちりゆく落葉がなんとも印象的な山行だった。
その夜は写真集"槍・穂高賛歌"に魅せられていた山岳写真家の山本和雄がつばくろ山荘に逗留中でしばし語り合う機会を得たことも。彼はその後まもなく亡くなってしまったので、私にとってはその時が最初で最期の出会いとなった。
ひるがえって、わが生命圏のメタセコイアは、隣り合わせの樹々なのにまだ緑のままの異端児もちらほら居て面白い。そろそろ散り時を迎える頃だというのにどうするのかな。隣り合わせで差異を際立たせアンチエイジングに励んでいるのは健気の一語に尽きる。
<時節に抗う頼もしい奴>と感心してその場を離れたが、しばらく進むと幼稚園のミニガーデンの多肉植物にもそんな変わり者がいた。
昨日、たまたま観たニュースに2023年度の世相を反映したひな人形工房の"かわり雛"の発表があったが、こちらの"かわり雛"も負けず劣らずの物だと思わず笑ってしまった。