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テーマ:マジック・手品について(477)
カテゴリ:マジックその他
私の好きなマジックをひとつ紹介します。
--現象ーー 観客は1枚カードを選び、デックに戻します。演者はカットして、さらに観客もカットします。 「あなたの選んだカードを、取り出して見せましょう」 演者は、デックの表を見て、一枚のカードを取り出します。 「このカードですか」 「ちがいます」 「ああ失敗ですね。マジシャンが失敗すると、見ているほうはストレスになると思います。今からストレスを解消する方法をおこないたいとおもいます」「チョップをしてください。ただし私にではなくカードにです」 演者は、デックを手に持って、観客に差し出します。観客は、チョップをします。 すべてのカードは、演者の手から床へと落下します。選ばれた一枚を除いて。 「きゃーーー」 ーーコメントーー 正式名称が分からないので、便宜上「チョップで当てるカード」と名づけておきました。今回紹介したものは、"Hocus Jocus"(Steve Charney)に解説されている方法を元に、私のせりふをおおよそ用いて組み立てたものです。もともとは技法が必要ですが、この方法だと技法は要りません。参考までに、カール・ファルヴスが"Self-working close-up card magic"の"Perplexing pen"で紹介している原理と組み合わせることもできます。”Perplexing pen”もかなり面白いマジックではあります。 この「チョップで当てるカード」は、かなり長い歴史を持っています。古くは、ホフマンの『モダンマジック』にも解説されています。100年以上の時を超えてきたのですからこれは有力なトリックです。 もし、方法の簡単さと効果の大きさという二点でトリックを評価するならば、これ以上のカードマジックを私は知りません。観客の上げる驚きの声が十分な証明です。(ちゃんと実践済みです) 演者のカードの持ち方が違うバリエーションと、観客が持って演者がチョップをするというバリエーションもあります。このあたりは文献のところで紹介します。ちなみに、エドウィン・サキの解説だと「アッパーで当てるカード」とでも名づけるはめになるかもしれません。 ーー参考文献ーー 『ぼくらの超魔術入門』Mr マリック 成美堂出版 写真つきの解説です。 "The expert at the card table" S W Ardnase Dover 演者がチョップするやり方。翻訳は、『プロがあかすカードマジック・テクニック』浜野 明千宏 (翻訳) 東京堂出版 "Hocus Jocus" Steve Charney Meadowbrook press 技法を使わない方法。チョップさせるときに、演者は、人差し指と中指でカードを挟んでもらっています。チョップするのは演者です。 "Tricks with cards" Professor Hoffman(ママ) kessinger 「簡単で効果的な方法」、その通りだと思います。 "Modern Magic" Professor Hofmann Biblo-moser 2冊(もっとあるかもしれませんが)で解説してくれて感謝。 "Ellis Stanyon's card tricks" karl Fulves(ed) Dover いろいろなバリエーションが載っています。 "Sleight of hand" Edwin Sachs Dover カードを下から上に向かってたたきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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