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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:ミステリ
しばらく前に発売された、『クルンバーの謎
』(コナン・ドイル作)をご紹介したいと思います。これは、恐怖というでもなく、推理でもなく怪奇小説という分類に入るのでしょう。寄る一人で読むと恐ろしいことになる、というタイプではないと思います。夕暮れ時に友人が、部屋でちょっとした、科学では証明できないような謎めいた話を聞かせてくれる、そんなイメージでしょうか。怖い話はちょっと、という人でも読めるはずです。 「東洋の神秘」というように、エジプトやインドの神秘的な雰囲気がストーリーに味を加えています。表題の「クルンバーの謎」はやや眺めの話で、コリンズの『月長石』や『白衣の女』のように主人公の語りを中心にしつつ、その他の人の語り、日記などを使用して話が述べられていきます。本当の話であるかのような効果を作るのでしょう。口述筆記や日記、回想記などというさまざまな形を取ったり、口語によってそのまま記述したりと本当らしさを生み出すようにしています。なんだか書いているほうも、いくつかの資料を集めてきて事実を再構成しているかのような気分になっていそうに感じます。 表紙のクルンバー館。館だけでなく、船もあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.23 19:25:00
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