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カテゴリ:ミステリ
『「探偵クラブ」傑作選』という本を読みました。これは、過去の雑誌から作品を選んで編まれた、光文社文庫シリーズの1冊です。
もちろん、これ以外にも『「新青年」傑作選』や『「宝石」傑作選』などあるのですが、『「探偵クラブ」傑作選』はそれらの中でも、ちょっと趣が異なっています。な座なら、収録作品が変わっているからです。 はじめに「殺人迷路」という作品が収録されています。これは、「完全犯罪は可能か?」という喫茶店での会話に端を発する、連作探偵小説です。話自体もどうなるのかわくわくするものですが、執筆陣の豪華さもわくわくさせます。森下雨村、大下宇陀児、横溝正史、水谷準、江戸川乱歩・・・ワオ!! 次には、城昌幸らをはじめとする、数ページの短い「探偵コント」がのっています。水谷準の『僕の「日本探偵小説史」』が特に、著者のうきうき感も伝わってきて面白い。 最後は、また風変わりですが、雑誌への投稿作品とそれに対する乱歩の評価が載せられています。短いですが、トリックを使った作品、幻想的な作品、コメディタッチの作品など、いろいろ読めます。乱歩の『黄金仮面』などに題材をとった作品もありました。 この異色の短編集、おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.08.14 22:46:36
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