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カテゴリ:ミステリ
最近、西村京太郎のミステリを何冊か読んでいます。とはいっても、時刻表シリーズではありません。どうも私はその系統が苦手なようです。面白かったが、クロフツの『樽』も決して得意なタイプではありません。
西村さんは、初期の頃は鉄道ミステリではない作品を多く残しています。公害や差別など、社会問題をテーマにした作品(『汚染海域』など)『、『怒れる12人の男』のように、証言の矛盾を明かしていく作品(『7人の証人」)、オカルト的な雰囲気のもの(『幻奇島』『鬼女面殺人事件』)、まさに本格ミステリといった作品(『殺しの双曲線』)などなどとあります。 なぜこれほどはまったかというと、最初の問題の設定がすばらしかったからだと思います。結構早く事件が起こり、読者を引き込んでいくということもあります。それだけでなく、「誰も乗っていない船が海を漂っていた」というところから始まったり、「警部がいきなり襲われて、なぞの島につれてこられた」というところから始まったりと、読者をいきなりがっしりとつかんでしまいます。 あまり犯人当てや、証拠探しといった本格の面を見せてくれることは少ないような気がします。非常に読みやすく、バリエーションに富んでいることも魅力です。ただし、私は時刻表が得意ではないので、後期の作品は苦手かもしれません。 個別の作品はまた紹介していきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.17 21:46:15
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