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カテゴリ:ミステリ
バサバサバサ・・・
鳥が急に襲ってきたら、それも群れを成して。どうするだろうか? ダフネ=デュ・モーリアの短編集『鳥』を読みました。デュ=モーリアは格式高い屋敷を舞台に、愛と過去の因縁譚を描いた『レイチェル』や『レベッカ』などを書いた作家です。 短編集『鳥』には、ヒッチコックの映画化で知られる表題作のほか、「恋人」「写真家」「モンテ・ヴェリタ」「林檎の木」「番(つがい)」「裂けた時間」「動機」が入っています。 「恋人」は、たまたま映画館で出会った男女を描くが、女性には不思議さが漂っている。女性と男性はバスに乗って、墓地のあるところまでいき・・・? 「鳥」は、映画版も観ているが、比べても甲乙つけがたい。映画は映画で映像の迫力があるが、こちらは家に閉じ込められての緊迫感や、創造させる怖さがある。 「林檎の木」は主人公が庭に生えた林檎の木によってとんでもない目にあう、怪奇テイストの作品。個人的にはかわいそうな主人公ではある、と思う。 「番」は、一読?再読してなるほどという作品。 「裂けた時間」は、何を言ってもわかってもらえない女性がもどかしい。だが結末は・・・。 500ページ近く、いろいろな味の短編があり、物語の面白さを堪能できる一冊です。
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Last updated
2017.08.24 08:36:59
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