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raskiのマジックとミステリの部屋

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カテゴリ:マジックその他
今回は、バーベットとマジックの共通点と相違点をまとめてみようと思います。

私は、バーベットはマジックとともに謎を楽しむ文化の1部を形成していると思っています。その点を踏まえて、共通点と相違点を見ていきます。

まずは共通点です。それは、どちらも起こせないと思われた現象を起こしてしまうことです。「手にしっかりと握りしめたはずのコインが消えてしまう」「コップに手を触れずに、伏せたコップの中にあるコインを抜き出す」これを読んだだけでは、どちらがマジックでどちらがバーベットが判別できないのではないでしょうか。一応前者がマジックで、後者がバーベットです。どうしてそうなのかは、その現象が実現できる手段(タネ)によるのですが、種は明かせないので、ここでは詳しく説明しません(1)。ともかく、「どちらも起こせないと思われた現象を起こしてしまう」という共通点はあるようです。

次は相違点を考えてみます。相違点は、現象を実現する手段(タネ)にあるように思われます。タネを明かせるかどうかという点です。マジックは基本的にタネを明かしません。種を明かすと不思議さが消えてしまうからだと思われます。反対に、バーベットは種を明かすことをタブーとしていません。といいますか、演者が現象を実現した時点でタネが割れてしまうものなのです。例えば、「現象:手を触れずにものをうごかす」「タネ:手ではなく棒で触れてものをうごかす」のような感じです。不思議さではなく、だまされることを楽しむ、ばかばかしさをも楽しむ、というのがバーベットの真骨頂のようです。言い換えれば、タネが割れても(割れるからこそ)楽しめるのがバーベットではないでしょうか。

しかしながら、どちらも一見不可能そうな現象という謎があり、それに関連して楽しみが生まれているという点は同じだと思います。片方は謎の解明がなされないままで、もう片方は時にはばかばかしくも、謎が解明される点は違うとしても。犯人が分かって終わる推理小説も、リドルストーリーも、広い意味でのミステリに入るようなものでしょうか(2)。もちろんミステリも謎を楽しむ文化の一部だと思います。



(1)後者はバーベットなので、例えばコップをハンマーで割るというようなタネでもよい。その行為が許されるならば。

(2)その扉の先には何があるのか?男は扉に手をかけた。で終わるような、意図的に謎を残したままで終わる作品のこと。





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Last updated  2020.06.01 18:00:07
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