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raskiのマジックとミステリの部屋

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カテゴリ:ミステリ
2020年の創元推理文庫復刊フェアで復刊した『罪灯』を読みました。作者は佐々木丸美という方です。

この本は、いわゆるプロバビリティの犯罪を扱った4つの短編からなっています。プロバビリティの犯罪とは、例えば「毎日料理に余分に塩をかける」とか「道を聞かれたとき、事故に合う確率が高そうな道をあえて教える」などのように、それ自体では罪に問われないような行為によって、あわよくば殺しを実行するというような犯罪です。江戸川乱歩の短編「赤い部屋」や谷崎潤一郎の「途上」などが有名です。

今日紹介する『罪灯』は、そのような「犯罪」を扱った4つの短編が収録されています。4つは連作で、いずれも春夏秋冬を名前に持つ女性と謎を解く男性が登場します。

プロバビリティの犯罪とその発想、どのようにほころびるかということはもちろん興味の中心で、その興味に十分こたえてくれる作品でした。しかし、それだけでなく、「犯人」の女性の感じ方や情景描写も独特で、味わい深いところがこの作品の魅力となっています。

例えば「水死体が引き上げられた。彼女の十七年間も彼女を取り巻く憎しみも、やわらかな黄昏に溶けていく。高慢と咲いた大輪は散った。その姿に一抹の憐憫」(16ページ)

「私は冬の娘。厚い雲の中、冷たい水の中、寒さに凍結した青春」(22ページ)

などのような表現が随所に見られます。トリックだけでなく、描写も味わえます。


罪灯 (創元推理文庫) [ 佐々木丸美 ]​  ​


谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫) [ 谷崎潤一郎 ]
「途上」はこの作品集に収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/card56849.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。


江戸川乱歩全集(第1巻) 屋根裏の散歩者 (光文社文庫) [ 江戸川乱歩 ]
「赤い部屋」はこちらに収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/card57181.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。





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Last updated  2021.01.11 10:00:07
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