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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:ミステリ
時刻表を見ながら、旅の計画を立てたり、空想旅行をしたりするのは楽しいことです。しかし、時刻表を見ながら殺人計画を立てるのは・・・。
今回は、「線路上の殺意」という短編集を紹介します。この作品には、昭和の鉄道ミステリとして4作品が掲載されています。鮎川哲也氏の「早春に死す」、西村京太郎氏の「あずさ3号殺人事件」・夏樹静子氏の「特急夕月」、山村美紗氏の「新幹線ジャック」です。そうそうたるメンバーですね。 少しかいつまんで紹介します。「あずさ3号殺人事件」は、クイズ番組で当たった京都旅行を、別のクイズ番組で当たったという人の長野旅行と交換するというやや奇妙な設定から始まります。長野〜京都をまたいで鉄壁のアリバイを巡る捜査が始まります。推理をしては行き詰まり、行けたかと思えば強固なアリバイが出てくる、という謎の追求過程が楽しめます。トリックの意外性よりプロセス重視かと思います。タイトルから想像されるとおり、名曲「あずさ2号」に関する雑学?も入っていたりします。 「特急夕月」は、実際に時刻表やフローチャートが挿絵として挿入されており、頭で追うのが苦手でもついていけます。とはいえ、この作品は時刻表トリックよりむしろ犯人のパーソナリティーや行動のやや奇矯な面が面白みかなと感じました。犯人はうじうじしてみたり、強気になったり。その描写とともに、なぜそう振る舞ったのかが興味深い。 「新幹線ジャック」は、緊迫の展開とともに、犯人の行動や要求の不自然なところを探っていく話。実際に出くわしたらとても怖い話です。 線路上の殺意 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編〉 (双葉文庫) [ 鮎川 哲也 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.01.03 21:20:02
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