[ミステリ]の記事一覧 | raskiのマジックとミステリの部屋

ウィルキー・コリンズ

　ウィルキー・コリンズの『夢の女』を読みました。岩波文庫から出版されているミステリ系の話というのは意外な感じがするでしょうか？実は、同著者の『白衣の女』やポーの短編も出版されています。あるいは、チャールズ。ディケンズのそれらしい短編も。実は『シャーロック・ホームズ』シリーズも、岩波文庫から出ていた時期があったそうです！！　さて話を元に戻しましょう。この本は、確かに事件や謎はありますが、いわゆる探偵小説とは違います。特に探偵がいるわけでもないし、何かトリックがあるというわけでもありません。広義のミステリでしょう。　私のお勧めは「黒い小屋」です。たった一人で悪党どもと戦う主人公の姿がとっても素敵です。スリルがある作品です。　もうひとつは、「狂気の結婚」。「凶器の血痕」ではありません。これは今だからこそ読む価値があるといえます。どのように病気が生み出されるのかという問題です。

2006.12.19

コメント(0)

何の話？

　　今日の講義で、「乞食道楽」という物語を読みました。コナン・ドイルの作品だそうです。ドイルにそんな作品があっただろうかと思ってしまいました。　実は、「唇の曲がった男」だったのです。そういえばそんな気もします。でも、話の細かいところはよく覚えていなかったので、興味深く読むことができました。職業を当てるというホームズの特技も健在でした。　明治時代の翻訳であって、ワトソンが和田さんになっていたり、ホームズがリュパンよろしくワシといっていたり、なかなか面白いものでした。もう一回正典（ホームズものの作品）を読み直したくなりました。

2006.12.14

コメント(0)

死への旅

アガサ・クリスティの『死への旅』。名前の通り、冒険ものです。ですが、『バグダッドの秘密』や『秘密機関』などの諸作品とは毛色がやや違います。内容や雰囲気を考えると、『フランクフルトへの乗客』が一番近いでしょうか。一回読んだだけだと、（スケールは大きいけれど）派手さがないなと思ってしまうかもしれません。主人公のこともあって、それ自体はある程度事実だと思います。　ですが、見所はちゃんとありますからご安心を。まずは結末。原タイトルの、destination unknownの通り、結末はおそらくほとんどの人にとって、unknownなものでしょう。ひとつだけでなく、複数の驚きが詰まった結末です。ミクロな事件とマクロな事件とでもいいましょうか。　もうひとつは伏線の見事さ。『NかMか』でも同じような原理がありましたが、はまり込んで読んでいるときにはまったく気づきません。いくつか探し出してみてください。

2006.12.12

コメント(0)

思考機械の事件簿３

　ジャック・フットレルの『思考機械の事件簿３』を読みました。長編の「金の皿盗難事件」が収録されています。3部分に分け、犯人よりの視点を取り入れていることも工夫のひとつです。また、それによって謎を深めさらには欺き推理を盛り上げています。思考機械が登場するのは後半の三分の一くらいです。思考機械は科学者らしく物的証拠を使いますが、どちらかというと証言によって謎が生まれる形になっています。そのほかはまあ短編集です。「緑の目の怪物」（なんか怪奇物っぽいタイトルだ）が意外な作品でした。

2006.11.28

コメント(0)

招かれざる客

　アガサ・クリスティの戯曲『招かれざる客』を読みました。霧の夜に訪れた謎の男が、死体を発見する。とってもミステリアスな出だしです。この後、「私が殺した」という女性との会話が続いていきます。会話の達人らしく、心理的に読ませる会話です。　落ちは少し読みやすいかもしれません。しかし、途中ではすべての人がそれなりに疑わしく見えます。心理の中に潜む怖さも見ることができます。小品ですが、なかなか雰囲気のある作品でした。

2006.11.19

コメント(0)

死との約束

　アガサ・クリスティの『死との約束』。なんだか幻想的で、どこか切なげなタイトルだと思いませんか。場所がエルサレムあたりというのもそんな雰囲気をかもし出しています。　出だしは、「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」です。なんと衝撃的な！！殺人の予告みたいなものから始まるクリスティの作品はほかにもありますが、今回はポアロがその声を聞いてしまったのです。　この作品の見所は、もしかすると、殺人の起こるまでの人々のやり取りであるかもしれません。うっすらとした闇のカーテンに包まれた家族や、それを取り巻く見知らぬ人々。事件がなかなか起こらないなと思うかもしれませんが、退屈することはないでしょう。　ちなみに私も推理してみましたが見事にはずれました。推理する人は十分に気をつけてください。

2006.11.08

コメント(0)

7つの時計

アガサ・クリスティの『七つの時計』を読みました。『チムニーズ館の秘密』の続きに当たりますが、読んだことがなくてもたぶん楽しめます。殺人事件と、機密書類の盗難が登場してきます。「おもむきのある」が口癖の女性や、冒険大好きな女性、妙にカチカチの人（『茶色い服の男』にもこんな人がいたなぁ）、や、『ゼロ時間へ』に登場するバトルなどが現れるミステリです。　冒険物のにおいがします。犯人といいますか、意外な結末という点ではかなりの線を行っています。

2006.11.06

コメント(0)

ソーンダイク博士に脱帽

『科学テクニックで名探偵になろう』という本を借りてきました。子供向けの本ですがなかなかに興味深いです。指紋のとり方、石膏で足跡をとる方法、ちょっとした物質の見分け方などが載っていました。小学生か中学生のころの理科の実験を思い出しました。指紋検出や、足跡の調査はソーンダイク博士が得意とするところですね。私は、紙にしみこませたインクを鑑定するというものをやってみました。水をしみこませて、にじむ様子で調べるというものです。　高校の生物の時間でクロマトグラフィーの実験をやりましたが、まさにそれです。　こうやってみてみると、ソーンダイク博士の捜査がかなり正当なものであったのだなあと思います。

2006.11.03

コメント(0)

２冊

ヴァン・ダインの『グレイシー・アレン殺人事件』と、レイモンド・ボンドの『毒薬ミステリ傑作選』を手に入れました。いつ読み始めるか未定なのが悔しいところですが、積読として活躍してもらっています。

2006.10.30

コメント(0)

思考機械の事件簿２

『思考機械の事件簿２』を読み終えました。怪奇、不可能犯罪と、噂に違わぬ短編集でした。「呪われた鉦」は日本人が登場します。トリックそのものは、状況設定に負けている観がなくもありません。ですが、夜に読めない雰囲気は抜群です。ふと顔を上げると、鉦の音が聞こえてきそうです。　「ラジウム盗難」は、恐るべきトリックもさることながら、それに関連した最後の２行も面白い。手紙に工夫があればもっとよかったと思います。　「１００万ドルの在処」は思考機械の小言がなかなか笑える。思わぬ形で残されたヒントに注目です。　最後の合作短編もなかなかの作品でした。特に「嗤う神像」はそれだけ取り出して読んでも効果抜群の恐怖短編です。夫より、細かく描写しているような感じがします。しかしその話に合理的な結論をつけた夫も見事です。全然思いつかない解決でした。結構作るのに苦労したのではないでしょうか？

2006.10.29

コメント(0)

ハッチ君、不可能というのはよしたまえ

ある古本屋で、ジャック・フットレルの『思考機械の事件簿2』、『思考機械の事件簿3』を手に入れることができました。2冊で500円でしたから、いい買い物だったと思います。妙に大きな頭や奇妙な髪の毛、細すぎる目が特徴の人物です。あの目出に睨まれたら動けなくなってしまいそうです。「想像力はね・・・・」と語りだす天才的な探偵？です。　事件も、（ほかの短編を読んだことが前にありまして）奇妙なものが多く、またトリックにも力を入れていて、相当なレベルの作品となっています。ホームズのライヴァルの短編を読むのは久しぶりですので、これからも読み進むのが楽しみです。

2006.10.16

コメント(0)

ヒッコリー・ロードの殺人

クリスティの作品の中であまり目立っていない作品のような気がしましたが、決して悪い作品ではありません。ただ、少し珍しい感じのした作品でした。というのは、いつもの意外な犯人よりも、発端の奇妙さや中盤の展開のほうが優れている感じがしたからです。電球が盗まれたり、スカーフやリュックサックが切り裂かれたりするところから事件が始まる。それだけでどきどきします。もっともっとひねった理由があってもよいとは思いますが。　ほかの作品にも通じる他ころがたぶんにあり、しかも冷静沈着なミス・レモンという人物が出てくることも魅力のひとつだと思います。ありえないけど、この人が探偵をやったらどうなるんだろう。学生がたくさん出てきますが、話が進むころにはおおよそ人物も飲み込めると思います。

2006.10.14

コメント(0)

かえって新鮮かも

昨日の話しですが、翻訳ミステリの中で最初期に属する作品を授業で読みました。『ヨンゲルの奇獄』という作品です。明治10年ごろに翻訳されたものらしいです。　内容は、学校から家に帰ったはずの青年が行方不明になり、後に死体となって発見されるというものです。これだけだと平凡な事件という気もしますが・・・・。　驚くべきは手がかりの提示です。文の中で，「ここは重要である」と宣言していたり、重要箇所に傍点が打ってあったりします。「ヴァン・ダインの二十則」もない時代によくやってくれました。　さらに操作も、アリバイの確認や聞き込みをし、一つ一つ確かめていくというしっかりしたつくりです。まだ結末は読んでいないので、結末でも驚かせてくれるか、楽しみです。

2006.10.13

コメント(0)

リスタデール卿の謎

アガサ・クリスティの『リスタデール卿の謎』を読みました。彼女の短編というと、フーダニットを追及していて、短い中にたくさんの人物が出てきて、混乱しがちな傾向にあるという印象を持っていました。けれど、この作品に関しては、少なくともその心配は不要でした。　『リスタデール卿の謎』は、冒険ミステリや犯罪小説を集めたものです。雰囲気が魅力の「ナイチンゲール荘」、どきどきの冒険もの「車中の娘」、短く幕切れを感じさせる「事故」などが収録されています。全体として、一般の人が冒険心を燃やしたり、茶目っ気を発揮して探偵に臨んでいるところが魅力的です。発端の力と、感情移入の力でしょう。

2006.10.12

コメント(0)

どっちだろう

ホフマン教授の、『モア・マジック』がくるのを楽しみにしていますが、それはそれとして。アガサ・クリスティの『NかMか』を読みました。トミー・タペンスシリーズですが、もう、初作からから20年くらい年をとっています。素敵な子供たちもいます。仕事がない二人のところへ、ある依頼が来て物語が始まります。　冒険ものとしては、私は前作の『秘密期間』のほうが好きですが、こちらは人物が多く、いったい誰が・・・・という楽しみがあります。また、赤ちゃんが登場することによって、作品によい雰囲気を与えています。二人のやり取りは健在です。　あと、犯人側と調査側が、裏をかきあう展開も非常に魅力的です。敵もさるもの、といった感じです。　

2006.09.23

コメント(2)

クロイドン発１２時３０分

フリーマン・ウィルズ・クロフツの、『クロイドン発12時30分』を読みました。クロフツの長編は、実はこれが初めてです。若干不満が無いわけでもないですが、面白い作品でした。　長編の倒叙だけあって、犯人のおかれた状況が最初に細かく描かれていることがポイントの一つだと思います。そうすることによって、中盤での行動を、まさに犯人の側から見ることができます。望ましくはありませんが、犯人の立場になるのです。また、それによって、犯行にいたる動機も、非常に説得的なものになります。　中盤の、細かい偽装工作も注目です。犯人のやったことを、非常に細かく書き出しているので、完全犯罪のように見えます。いったいどういう風に破るのだろうかと期待が高まります。読者としても、ここから足がつくのではないかと、考える楽しみがあります。　ちなみに、この話の中で、犯人は何冊かの本を買うのですが、その中にマジックの本が入っています。具体的には何の本かは不明ですが、技法解説がある入門書だということは本文からわかります。ほかの本には、テイラーの法医学書であると明らかにしているにもかかわらず、マジックの本については詳細が明かされていません。でたらめかと思うと、注意力云々ともっともらしいことが書いてあって、何かをモデルにしているような気もします。　不満な点は、最後のフレンチ警部の推理です、。ソーンダイクの倒叙ほどには、証拠の面白みが無いように感じました。まあ、見せたいものが違うのだということで納得しておきます。

2006.09.20

コメント(0)

三十九夜

前日の続きというわけでもありませんが、『【世界名作映画DVD】三十九夜』を観ました。原作とは結構変わっているところが多く、より冒険の面が強調されているように感じました。最後のシーンは原作のほうが好きだなと思いました。　ただこちらのほうが、何もわからないまま追われているという感じが強く、それだけに逃亡劇は見所となっています。【中古】三十九夜／ロバート・ドーナット【中古】afb

2006.09.18

コメント(0)

三十九階段

冒険ミステリ?ということで、ジョン・バカンの『三十九階段』を読みました。この人の作品には、ほかに、『緑のマント』などがあります。大学生協割引で買った本です。謎解きのミステリ、という感じではありません。それほど激しい話ではないですが、スパイものです。　最初のシーンで、主人公が冒険に旅立つところが非常に印象的でした。なんだかまさに旅立ちという感じの場面です。　後は、主人公といろいろな人物の出会いが読んでいてこの作品の素敵なところだと思いました。主人公は機転を利かせています。ちょっとかわいそうな人物もいましたが。　欲を言えば、『三十九階段』の意味がもっとトリッキーだったら良かったような気もします。三十九階段【電子書籍】[ ジョン・バカン ](電子書籍です）

2006.09.16

コメント(0)

秘密機関

アガサ・クリスティの『秘密機関』を読みました。５００ページありますが、どきどきの展開で厚さは気になりませんでした。スケールの大きい、冒険物語です。　珍しく推理を組み立てて、事件の真相がわかったと思ったのですが、見事にだまされました。これほど気持ちよくだまされたる様なことも珍しいです。若きトミーとタペンスの活躍をお楽しみください。

2006.09.09

コメント(4)

赤外線男

海野十三の、『赤外線男』を読みました。この人はSFの作家だというイメージが強かったのですが、ミステリもあるんですね。確かにSFミステリというべき作品もありました。とてもトリッキーです。　私のお勧めは、「三角形の恐怖」。倒叙的構成と奇抜な着想の作品です。最後の落ちもなかなか利いています。　表題の「赤外線男」はややSF的です。とても意外な犯人のほかに、著者が仕掛けたトリックまであります。【中古】文庫 ≪日本文学≫ 赤外線男他6編 / 海野十三【中古】afb

2006.09.04

コメント(0)

三幕の殺人

アガサ・クリスティの『三幕の殺人』を読みました。いろいろな意味で奇術的なミステリです。トリックも話の内容も。　あまりポアロが活躍しないのかなと思いましたが、ちゃんと活躍してはくれています。これはするすると読んでいると間違いなくはまりますな。

2006.08.28

コメント(2)

クレイグ・ケネディ、文句をつけられる

たまたまブックオフで、ヴァン・ダインの『誘拐殺人事件』と『ウインター殺人事件』が100円でう荒れていたので購入しました。この辺の作品は質が落ちているとかいう噂を時々耳にしますが、どうなんでしょうか？絶版になっているところを見ると、噂では済まされないのか？？？　まだ本文は見ていませんが、『ウインター殺人事件』についている、「推理小説論」だけは読んでみました。いろいろな名探偵が出てきて興味深いのですが、この中で、クレイグ・ケネディの探偵ものがよろしくない扱いを受けています。何でことさらそんなことを取り上げるかというと、私があの手のいろいろな道具を出してくるのが好きだったからです。確かにちょっと怪しいところもあるのですが、筆者の野心は相当なものだったと思います。　ヴァン・ダインの批判の言葉を少し。「もろもろの発明家や、大ぼら吹きの科学の博士どもを合成したものといえなくもない」・・・「無音の弾丸」以上に殺傷力のある言葉です。

2006.08.26

コメント(0)

赤毛のレドメイン家

イーデン･フィルポッツの、『赤毛のレドメイン家』を読みました。江戸川乱歩が進めるだけのことはあって、素敵な作品でした。美しい情景描写や、癖のある人物などはもちろんのこと、犯人の行った犯罪計画にも注目です。冷静に考えてみれば、読者にも推理可能なような気がしますが、私も誰かさんと一緒で、犯人に踊らされてしまいました。証拠をこつこつと集めて、という話とは少し違うようです。　ピーター・ガンズ探偵はすごい実力者なのに、嫌なところがなく、マーク刑事も実力者らしいのに、かなり人間味のあるところが描かれています。被害者や犯人も然り。人間模様に注目です。ちなみに江戸川乱歩のある作品は、この作品の翻案です。赤毛のレドメイン家（創元推理文庫） [ イーデン・フィルポッツ ]

2006.08.23

コメント(0)

愛国殺人

アガサ・クリスティの『愛国殺人』を読みました。犯人の設定や話の展開の込み入り具合はさすがの一品です。（個人的には犯人はほかの人であってほしかったと感じましたが）ポワロの推理過程がじっくりと描かれているのもポイントです。また、歯医者に行っているときのポワロの描写も、普段の彼とは違ってほほえましいところがあります。

2006.08.18

コメント(0)

『証拠は眠る』読みました。

『証拠は眠る』を読み終えました。フリーマンだけに期待できるだろうと思って読みました。見どころが予想以上に多い作品でした。　科学的知識や道具などのソーンダイクものの定石とも言える魅力はもちろん、フリーマンの長編には珍しいフーダニット（怪しい人が何人かいて、犯人は誰かというようなこと。）の興味を強く出したこと、（もちろんハウダニット・どういう方法で犯行を行ったか、も健在です）、意外な証拠、語り手の心情などなどが見どころです。　この本のソーンダイク博士は、質問のときなどに、なんだか怖い人だという印象を与えているような気がします。作品の雰囲気ともおそらく関係しているでしょう。ソーンダイク博士に推理で挑戦したい人はぜひ眠っている証拠を見つけ出してみてください。

2006.08.06

コメント(0)

カブト虫殺人事件

ヴァン・ダインの『カブト虫殺人事件』を読みました。「スカラベとはカブト虫ではなくフンコロガシなのさ」とファイロ・ヴァンスよろしく言ってしまいたいところなのですが、『フンコロガシ殺人事件』というのも変な感じなのでよしとしておきましょう。フンを転がす様子が、日の出に似ているということであがめられたらしいです。　内容は、エジプトの王様や、美術品などの薀蓄があふれていて好きな人にはいいですが、ちょっとくどく思われるかもしれません。　この作品のメイントリックの発想は、どこかのほかの作品で読んだことがありましたが、エジプトののろいや怪しげな人物などで紛糾して見えにくくなっています。どの人物も怪しく見えてきます。【中古】カブト虫殺人事件　ヴァン・ダイン　創元推理文庫

2006.08.01

コメント(0)

『証拠は眠る』が来ました。

大学生協の15パーセント割引を利用して注文していた、オースティン・フリーマンの『証拠は眠る』(原題 As a thief in the night）が届きました。「芳香漂う大人のヴィンテージ・ミステリ」とはなんとも魅力的です。『月長石』という大物も読んでいて、テストもあるのでソーンダイクを味わうのは夏休みになってしまうかもしれません。

2006.07.18

コメント(0)

またトリックやっていました。

今度はシリーズ2番目のの「六つ墓村」の事件をやっていました。ちょっとマジックのシーンがすくないような気がしました。山田奈緒子のステージマジックと、電話を使った計算のトリックと、カード当てだったような気がします。　電話を使ったマジックは、1度やってみたいと時々思うのですが、電話先にカードがなかったり、長電話になることを懸念したり、指示が難しかったりして、実践にいたっていません。演者が干渉する予知がないだけに、不可思議が強調されるという魅力があるので、一度くらいやってみたいなとは思うのですが。この番組のような、簡単な計算だったらいいかもしれません。

2006.07.15

コメント(0)

ソーンダイク博士

創元社から出ていた『ソーンダイク博士』を読み終えました。これは、世界推理小説全集の1冊で、たまたま古本屋で見つけたものです。『月長石』をぶっとうしで読むのも、面白いけど苦労があるので、これも読んでいました。　今まで未読だった作品は、『暗号錠』と『空騒ぎ』の二編でしたが、久しぶりということもあって全部読むことにしました。展開やトリックを忘れていた作品も少しあり、またトリックを覚えていたものも細かいところに注意して読めたので問題ありませんでした。　「オスカー・ブロズキー事件」は前回は犯人の葛藤に注目して読んだ記憶がありますが、今回は捜査に注目しました。科学者探偵の教科書のような作品で、事件も実際にあったものを参考に欠かれており、説得力があります。「歌う白骨」は、最後のせりふが、法医学者ソーンダイクをよく表していて印象的でした。全体的に、絶望的な冤罪に陥れられた人を救うという作品が多く、科学者として懐疑の精神を忘れないソーンダイク博士が描かれていました。

2006.07.15

コメント(0)

名探偵またまた登場

講義で再び名探偵たちのお話が出てきました。オーギュスト・デュパン、シャーロック・ホームズ、そしてエルキュール・ポアロと、黄金のメンバーです。推理小説に現れた文化と歴史を見ようという趣旨です。　ＮＨＫで放送されたホームズの話や、『カーテン』が日本で販売されたときに袋とじになっていた話など興味深いことがたくさん聞けました。講義もそろそろ終わりです、残念。

2006.07.13

コメント(0)

月長石

今、ウィルキー・コリンズの『月長石』を読んでいます。あまりに厚いので今までためらっていたのですが、ついに読むことにしました。まだ途中も途中でどのような展開が待ち受けているのかわくわくしているところであります。インド人の手品師とかいう3人組も出てきます。テストが近づきつつあるのが残念です。月長石（創元推理文庫） [ ウィリアム・ウィルキ・コリンズ ]

2006.07.11

コメント(0)

ラッキー

今日、偶然にも図書館でリサイクルコーナーが設置されていました。図書館のいらなくなった本を持ち帰ってもいいですよ、というコーナーです。何かあるかな、と思ってみると、なかなかすばらしいものが見つかりました。遠慮なくいただいてきました。　入手出来たのは、H・Cベイリーの『死者の靴』、ロバート・フィッシュの『シュロック・ホームズの迷推理』、リチャード・ハルの『他言は無用』です。特に狙っていたのではありませんが、いろいろな点で引かれていた作品たちです。　ベイリーは、フォーチュン氏の生みの親としても知れれています。この人は、美食家で実は優しい人物なのです。『フォーチュン氏を呼べ』というのが出版されたそうですね。（未読です）　フィッシュの本は『シュロック・ホームズの冒険』を借りたことがあるだけでよく知りません。リチャード・ハルは、前にこのページでも取り上げた『伯母殺人事件』の著者です。

2006.07.02

コメント(0)

最近よく見かけます

今日の９時から、またまた「トリック』の再放送をやるそうです。今回は、最初の映画版らしい。文庫で読んだ記憶はありますが、映像で見た記憶はありません。（記憶がないだけかも知れません）

2006.06.25

コメント(0)

不可能犯罪捜査課

ちよっとだけマジックが出る本に、『不可能犯罪捜査課』を追加しておきました。ディクスン・カーの作品です。『火刑法廷』の解説を松田道弘さんが書いていたことから考えても、マジックとのつながりは濃い作品です。ほかの作品でも、魔術的といえるような犯罪がよく出てきます。不可能犯罪捜査課（創元推理文庫） [ ジョン・ディクソン・カー ]

2006.06.20

コメント(0)

なぜでしょう？

今日登場する本は、クリスティーの『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか？』です。冒険ミステリーの本で、犯人捜し、冒険、主人公二人のやり取りなど多くのことを楽しめる隠れた良作です。どこかでソーンダイク博士の名前も出てきます。　私は、冒険の部分が一番魅力的だと思いました。トミーとタペンスのような例外はあるものの、証拠を探して歩き回ることをきらうポアロやあまり動き回っているイメージの少ないマープルおばさん（実際は好奇心旺盛で動いていたりもするのですが）達から少し遠いところで輝く作品です。国際謀略物やスパイ物とも少し違いますし。　一般の人が冒険に出るからこそ面白いという面があると思います。とんでもない作戦を実行することも・・・・。そのせいで主人公が妙に若く感じられました。

2006.06.14

コメント(0)

伯母殺人事件

リチャード・ハルの『伯母殺人事件』を読みました。この作品は、倒叙作品３大名作のうちのひとつだそうです。（ソーンダイクファンの私としては「オスカー・ブロズキー事件」あたりを入れて４大名作にしたらどうだろうと思いますが、それは別の話です）　この作品は、トリックの面白さはもちろんとして、文章のユーモア、そして・・・・・と見所の多い作品です。エドワード君もそんないい人とはいえないし、かといって伯母さんも本の中に入って殴りたくなるときもある人物で感情移入できません。　ちなみに、この作品の中のあるトリックに類似した発想のトリックがソーンダイクもののある未訳の長編で使われています。（このくらいしかかけません、あしからず）奇妙な関係でしょうか。まあ、似たようなトリックということはしばしばあるのですが・・・・。

2006.06.07

コメント(0)

シャーロックホームズのライヴァルたち３

『シャーロック・ホームズのライヴァルたち（3）』を読み終わりました。このシリーズの最終巻にあたり続編はないようです。１０巻くらいまで続いてほしかったのですが残念です。また続きがどこかで出ることを期待します。　この巻は、アメリカの名探偵（と一部の迷探偵）を扱っています。独立の短編集があるので『思考機械』は含まれていません。一寸感想。　地震計の冒険（アーサー・リーブ著）・・・アメリカのシャーロックホームズと言われたらしいクレイグ・ケネディの話。どちらかというと、ソーンダイク博士のライヴァルといった感じもする。あるいは妙な道具を使う点でポルトン氏のライヴァル。科学捜査ではないが科学的探偵。何で地震計とこの話が関係あるんだろうと初めのところでは思ってしまうのがミソ。ファイロ・ガッブ最大の事件（E・P・バトラー著）・・・キャラクター作りに成功している。途中から終わりまで笑える作品。謎のカード・・・解決編はもしかしたら読まないほうが楽しいかもしれない。いろいろな名探偵が、それぞれの方法でさまざまな事件に挑む。同じ探偵のほかの作品も読んでみたいと思わされます。埋もれてしまった作品って、本当にに多いんだなぁと実感。

2006.06.01

コメント(0)

再放送

お昼ごろに、テレビドラマ『トリック』の再放送をやっていました。私はこのシリーズものが大好きなので、思わずずっと観てしまいました。変な警察官や人物、せりふなど笑ってしまうのに、マジックのトリックは真剣に作られているところはポイントです。いい加減なマジックだと説得力がなくなってしまいますから。　このページでも、マジックが登場するミステリをいくつか取り上げていますが、その典型例の一つがこの番組です。犯行のトリックという主役として、雰囲気作りの補佐役としてマジックは活躍します。マジックとミステリの近さ、というか相性のよさのようなものを見せてもらいました。

2006.05.27

コメント(6)

蜘蛛の巣

私は蜘蛛がとても苦手ですが、クリスティの『蜘蛛の巣』を読みました。表紙がなかなかきれいで、特にクモが襲ってくるようなことはなかったので助かりました。もし表紙が本物のクモだったら一生買わなかったのではないかと思います。　内容はどちらかといえば推理物というよりは犯罪物。内容には触れられませんが、どこかの作品で見たような内容が一部あります。　登場人物のピパさんが行動が面白かったり、へんな言葉遣いだったりして面白い。

2006.05.22

コメント(2)

ある教科書に

ある歴史学の講義の教科書に、シャーロック・ホームズの話しが載っていました。こんなところに載っているとは、少し意外な気がします。教科書に沿って進めていく講義なので、もしかしたらそれに関する話も授業の中で出てくるのかもしれません。　問題は、後のほうのページなので、授業が追いつかないこと。講義の中で、「初歩的なことだよ、ワトソン君」なんていったりして。（このせりふって本当にあったのだろうか？）

2006.05.11

コメント(0)

大いなる眠り

レイモンド・チャンドラーの『大いなる眠り』を読みました。ハードボイルドスタイルは、ヘミングウェーくらいしか読んだことがなかったので、新鮮に読むことができました。最初は、いつものミステリーと違うって戸惑ってしまいました。　自分であちこち動き回るけれども、吸殻や足跡のような証拠探しはしない、危険にも平然と立ち向かっていく名探偵です。【中古】大いなる眠り創元推理文庫／レイモンド・チャンドラー(著者),双葉十三郎(訳者) 【中古】afb

2006.05.08

コメント(0)

魔術の恋

魔術の恋（買ったのはしばらく前なんですが）を観終わりました。これはフーディニの伝記映画だそうです。私はフーディニの生涯については、ほとんど知らないので内容が正確かどうかは分かりませんが、ラストのシーンは実際の場面とは違うそうです。フーディニが牢獄や鉄のよろいなどを軽々と打ち破っていく姿はとても爽快です。牢獄の囚人の反応も面白かった。（『13号独房の問題』だったらまた違った印象になるでしょう）　マジックの監督は、あのジョセフ・ダニンジャーがやってるそうで、マジックのシーンも本格的でショーとして楽しめると思います。【中古】魔術の恋／映画・ドラマ【中古】afb

2006.04.29

コメント(0)

火刑法廷

ディクスン・カーの『火刑法廷』を読みました。実はカーの作品ってあまり読んだものがないので、バリバリの謎解きというイメージを持っていただけ位のものでした。だからというわけではありませんが、謎の提示がとても魅力的だと思いました。私はこれは、フリーマンの『ダーブレイの秘密』？などととんでもない方向に考えてしまいました。　しかも、この本の解説を書いているのは、あの松田道弘氏です。謎がマジック的であるので、そういった方面からの解説だと言える部分があります。ちなみに、マジックファンだからといって解説から読むことはお勧めできません。　あまり内容に踏み込んでかけないのがつらいところですが、謎の提示が特に魅力的であったと感じました。ちなみに、脱出王ハリー・フーディニの名前が出てきます。確かに、フーディニにふさわしいといえますが、なんだか意味深長な気がします。火刑法廷新訳版（ハヤカワ・ミステリ文庫） [ ジョン・ディクソン・カー ]

2006.04.23

コメント(0)

世界短編傑作集３

『世界短編傑作集（3）』を読み終わりました。よくもこれほど、トリッキーな作品や素敵な作品を集めたものだと思います。それを5冊も作ったのですから驚きです。　大トリックを使った、ノックスの「密室の行者」や（これは驚いた）、タイトルのつけ方が利いている「ボーダーライン事件」、クリスティの「夜鶯荘」などの諸作品が登場しています。　　マジックという点から見て興味深いのは、パーシヴァル・ワイルド（パーシヴァル・ブランドではない）の「堕天使の冒険」でしょうか。われらが「バイシクル」のカードが登場し、いかさまについての講釈を聞くことができます。しかも、ロベール・ウーダンが語ったという設定の基に書かれています。私たちにとって、なんともにやっとしてしまう話です。世界短編傑作集 3 創元推理文庫 / アンソニ・ウイン【文庫】

2006.04.17

コメント(0)

ミステリの美学

『ミステリの美学』(ハワード･ヘイクラフト編）を読みました。ミステリを書くときのルールとされる、ノックスの十戒、ソーンダイクの生みの親であるフリーマンの推理小説論、『グリーン家殺人事件』のパロディ、反ミステリ論など広い視野によって集められたバラエティに富んだ構成になっています。　特にセイヤーズの文章は、歴史がコンパクトにまとめられていて、楽しく読むことができました。読んだことのない作品にも多数言及されていて、読んでみたいなぁという気にさせられました。反ミステリ論はショックですが、もしかしたら考える必要のあることなのかもしれません。

2006.04.07

コメント(0)

ねずみとり

アガサ・クリスティの『ねずみとり』を読みました。戯曲は、あまり読んだことが無かったのですが、この本はすらすらと読むことができました。人物も上手く描かれているし、舞台設定もそれらしいところだったからということもあるかもしれません。　『そして誰もいなくなった』のようなサスペンスに満ちた展開や（少し負けてるかも）、クリスティー必殺の思いがけない犯人など素敵な１冊でした。

2006.03.29

コメント(2)

クイーンの定員2

読みたいと思う本が絶版、売り切れということはよくあります。（マジックの本でもよくあるんです）今回の『クイーンの定員』という本もそのうちの1冊です。これは、過去からさかのぼって、傑作の短編ミステリーを載せていくというアンソロジー本です。エドガー・アラン・ポーの時代から現代の作品まで少しずつですが読むことができるのです。　で、某古本屋で、『クイーンの定員２』を買うことができました。どこかで読んだ作品も多いですが、解説が充実していて、歴史を概観することができなかなかの収穫だったと思いました。【中古】クイーンの定員(2) 傑作短編で読むミステリー史光文社文庫／エラリー・クイーン(著者),各務三郎(著者) 【中古】afb

2006.03.22

コメント(0)

やっぱり有名だったのですね

ソーンダイク博士の生みの親、オースティン・フリーマンの探偵小説に『赤い拇指紋』というものがあるのですが、マスケリンの名前が登場していました。マスケリンは、マジック論の古典である”Our Magic"を書いたり、ステージで活躍したりしたマジシャンです。　その記述（奇術ではなく）を、『赤い拇指紋』から引っ張り出してみましょう。「叔母はどうもあなた方お二人を法曹界のマスケリンとクックにみたてているようですよ」とのことです。（ちなみに、「あなた方お二人」とは、ソーンダイク博士とワトソン役のジャービス医師のことです）　ソーンダイク博士にとってもおそらく名誉なことでしょうし、マスケリンにとっても、きっと名誉なことでしょう。ソーンダイク博士は、ミステリーの中で、初めて本格的科学捜査を取り入れた人物との栄誉を得ているそうですから。　しかも、そこらにいるようなおばさんが名前を出すくらいですから、マスケリンは相当な有名人だったことが伺えます。こういう文章に出会えると、私としても嬉しいものです。ちなみに、似たような記述がこのページでも紹介している『ピーター卿の事件簿』にもありました。こちらのほうもいつか書いてみたいと思います。　ミステリにマジックが良く出てくるナァ。

2006.03.14

コメント(0)

メモ

オースティン・フリーマンのソーンダイク博士シリーズ（だと思う）の『証拠は眠る』(As a thief in the nightの翻訳)が発売されたそうです。ソーンダイクものは、翻訳が少なく読もうとするとかなり労力が必要とされるので助かります。値段は高いのですが。

2006.03.12

コメント(2)

とても恐ろしい本

図書館に、『娯楽としての殺人』（ハワード・ヘイクラフト）という聞いただけでも恐ろしい名前の本がありました。実際は、ポーからミステリー小説の歴史をたどった解説書だったのですが。ソーンダイク博士や思考機械などのの生みの親も紹介されていたので、借りてきました。良くまとまっていて系統的に歴史を追うことができます。　こんな本が図書館においてあったとは気づきませんでした。なかなかの掘り出し物でした。それにしても、こんな物騒なタイトルは誤解を引き起こしそうです。

2006.03.10

コメント(0)