カテゴリ:ドラマレビュー!
フジテレビの「朝顔」が終了。
卒園式の「マイウェイ」には、 さすがに総ツッコミが入ってましたね。 いくらなんでも渋すぎる(笑)。 でも、 つぐみちゃんは、あんなに小さいのに、 まったく演技とは思えない調子で、 けっこう長い台詞も喋るのが不思議です。 ◇ このドラマの魅力のひとつは、 主人公たちの生活がものすごく庶民的なこと。 今回も、 「どうしてホテルのクッキーはこんなに美味しいの?」 みたいな会話がありましたが、 この感覚にちょっと懐かしささえ覚えてしまう。 そして、 近年のテレビドラマには珍しいくらい、 主人公の家屋が周囲にくらべて際立って古いです(笑)。 ◇ ◇ もうひとつ、 このドラマの最大の特徴は、 周りの人たちが底抜けにノーテンキなのに、 主人公の父と娘が、いつもどこか沈んでいることです。 口では言わずとも、 どこかでずっと震災の記憶を抱え続けている。 そのことの重さが、この作品の稀有な要素になってます。 ◇ 今回の第2シリーズで、 いちばん印象的だったのは、先週の第18話でした。 無実であるにもかかわらず、 松本教授が「私が殺した」と自首してきた回。 彼女はこう言いました。 >動物の自殺は、人間ほど多くない。 >人間は、些細なことで、 >幸福な記憶を思い出しもするけど、 >不幸な記憶を思い出しもするから。 もし、 記憶なんてものを失うことができれば、 人間は、こんなに自殺などせずに済むのですよね。 ◇ これと対比されるのが、 アルツハイマーで記憶を失くしていく父の物語。 彼が失っていくのは、 おそらく大脳皮質の「人間的」な部分です。 ほかの動物には備わっていない機能であり、 たぶん生存そのものには支障がない。 彼は、記憶を失うことで、 幸福な経験も忘れていくけれど、 同時に不幸な経験も忘れていくはずです。 家族や共同体の記憶を消し去っていく。 それは、 人間としては悲しいことのように見えるけど、 動物として見れば、ごく普通のことなのかもしれない。 「記憶の喪失」というのは、 人間レベルで見れば "病気" かもしれないけれど、 動物レベルで見れば、むしろ "健康" なのかもしれない。 これって、けっこう哲学的な問いです。 案外、AI時代になったら、 人間は記憶を必要としなくなるかもしれない。 動物として生きるのには邪魔ですから。 ◇ ◇ ちなみに、わたしなら、 痴呆老人のために結婚式を挙げたりしません。 式の翌日に、 また「式はいつやるんだ?」とか言われそうだし。 それに合わせてたらキリがないよね。 でも、写真を撮って目の前に置いておけば、 しばらくは忘れないのかなあ…? 覚えてるうちに話をさせて録音しておくのも、 ひとつの手なのかもしれませんね。 ↓折坂悠太も庶民派です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.23 09:43:51
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