テーマ:政治について(20087)
カテゴリ:政治
コロナ禍のなかで、
人類は病原菌やウィルスの問題に直面しています。 ◇ 近代的な衛生革命は、 上下水道などのインフラ整備、 殺菌・滅菌手法の確立、 感染症ワクチンの開発などによって実現しましたが、 それでもまだ人類は、 完全に衛生的な環境を獲得しきれていません。 ◇ 最大の問題は、 衛生上の敵が目に見えないということです。 生活圏の衛生状況を、 リアルタイムで数値化することさえ難しい。 したがって、わたしたちは、 衛生的なものをむやみに「汚い」と思い込んだり、 逆に不衛生な環境を「きれいだ」と勘違いしたりします。 目に見えない敵との戦いのなかで、 衛生にかんする「観念」と「実態」が乖離し、 人々を非合理な行動・非効率な行動へ向かわせるのです。 ◇ さらに、 そうした迷信的な衛生観念は、 飲料水や食品への不信につながったり、 トイレや浴室のような住環境への不信につながったり、 公共財や公共空間への不信につながったりもする。 また、 他者への差別につながったり、 病人や死者の隔離につながったり、 外界や異界への忌避感を生んだりもします。 みずからを、 根拠のない潔癖神経症に追い込むこともあります。 病原が目に見えないものである限り、 迷信的な「穢れ」の感覚を拭い去ることもできない。 こうした迷信は、 信じるに足る根拠にも乏しいけれど、 否定するだけの根拠もまた不十分なのです。 ◇ 今後、 衛生技術の革新によって、 病原菌や病原ウィルスを可視化し、 それらを合理的に排除することができれば、 社会的な医療コストを抑えられるだけでなく、 人々は、 盲信や迷信に悩まされることもなくなり、 社会の合理化や効率化も一気に進展していくはずです。 そして、 生活の快適性、 他者への信頼性、 社会の安全性も大きく増していくはずです。 ◇ かりに、 第二次衛生革命があるとすれば、 それは、 むやみやたらな滅菌・殺菌を繰り返すのでなく、 悪玉微生物だけを選択的に排除する技術によって、 人々と善玉微生物との共生を、 安定的に実現させる形へと向かうはずです。 もしかすると、 善玉微生物を養殖し、 それを生活環境のなかで優勢にすること自体が、 悪玉微生物を駆逐することにつながるのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.04.28 05:49:48
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