カテゴリ:東宝シンデレラ
10/4放送のNHK「うたコン」は神回でした。
いつもの「うたコン」は、 《演歌パート》の後に《J-POPパート》を取ってつけるような構成で、 なかなか両者が融合せず、 番組の方向性も、ターゲットとする視聴者層も、 いまいち絞り切れてない感があるけど、 今回の放送では、 市川昭介の演歌と、 AIのソウルミュージックと、 井上芳雄のミュージカルが違和感なく共存していて、 最後は、 香西かおりの洒脱な歌謡曲が締めるという、 とても理想的な構成になっていました。 往年の「ザ・ヒットパレード」とか「夜ヒット」を思わせるような内容。 そんな番組構成の中心にいたのは、上白石萌音でした。 ◇ 萌音が、 今年の紅白で「夜明け」を歌うのは確実です。 人気の高いミュージカルのパートでも、 何かしらのパフォーマンスをする可能性があります。 そして、日に日に高まっているのは、 「彼女が紅組の司会をやるんじゃないの?」という噂。 民放ドラマやミュージカルでの活躍もさることながら、 「大河」から「朝ドラ」に立て続けに出演する流れもあり、 バラエティ番組での司会経験も、その判断材料になっています。 それにくわえて、 NHK出版から発売された先日のエッセー集が、 すでに売上の上位にランキングしているのも注目される。 おそるべき全方位的な活躍です。 ◇ けれど、いちばん重要なのは、 彼女が、歌手として、 各局の歌番組でもパフォーマンスをし、 シングルやアルバムがかなりの売り上げを記録していること。 わたしは、 彼女が今年発表した『あのうた』というカバーアルバムが、 年末のTBSレコード大賞で、 おそらく「企画賞」か「アルバム賞」を獲るだろうと思っている。 というのも、 ミュージックマガジン誌をはじめジャーナリズムの支持もあったけど、 いまの日本の音楽シーンのなかで、 あの作品が成功したことの意義はとても大きいからです。 萌音は、あのアルバムにおいて、 70年代の布施明から、90年代のブルーハーツまでを、 「昭和・平成歌謡」という大きなカテゴリーで括りました。 これは、 70年代の後半以降に繰り返されてきた、 「ニューミュージック」vs「演歌・フォーク」だとか、 「J-POP」vs「歌謡曲」だとかいう不毛な分断を、 あたらしい世代の価値観から乗り越えようとするものであり、 日本の商業音楽を統合的に継承するための、 ひとつのパースペクティブを提示するものになっていました。 この価値観は、 NHKの紅白歌合戦にとっても前向きな方向性を与えるもので、 今回の「うたコン」の内容は、まさにその予兆になっていたのです。 …と思ったら、こっちが先だった! 逆に紅白の可能性はちょっと弱まったかも(^^; ◇ 萌音が歌った「夜明けをくちずさめたら」は、 これまでのなかでもベストパフォーマンスでした。 そして、 その直前に披露された「アルデバラン」は、 NHK朝ドラ史上、もっともソウルっぽい楽曲。 後半は、ほぼゴスペルですね。 作ったのは、なんと森山直太朗。AIの代表曲になるのは確実です。 ちなみに、 萌音自身が歌う今回の高校サッカー選手権の曲も、 森山直太朗がゴスペル調で作っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 13:28:56
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