あらすじネタバレ感想です.
今週も、お姫様ごっこからはじまる。 お姫様と王子様に扮してキスの練習です。 思春期になって異性を意識しはじめると同時に、 自分の容姿のことも気にせざるをえなくなる。 今回のテーマは「容姿の美醜」ってことでしょうか? エロ教師のキスから汚い便所掃除まで、ほぼエロネタと下ネタでしたが…。 性的なことに関心をもちはじめたアンに対して、 リンド夫人は「叱りつけてムチ打てばいい」と言うけれど、 マシューとマリラは、そういう抑圧的な教育を良しとしません。 思春期の少女をどう見守っていけばいいのか、という微妙な問題です。 ◇ 原作でも、アンは、 自分の容姿にコンプレックスをもっていて、 赤毛を「にんじん」呼ばわりされたときは、 ギルバートを石板で殴りつけて、長いあいだ絶交します。 しかし、ギルバートの場合は、 ただの異性へ照れ隠しなので、さほどの悪意もなく、 最終的にはアンが美しく成長することで、 その容姿の問題も自然と乗り越えられているように見える。 全体としては、おおらかな物語ですよね。 けれど、 このドラマの場合は、もっともっと深刻です。 孤児院やハモンド家や学校で受ける悪意のある攻撃は、 アンの心に、トラウマになるほどの重い傷を与えている。 マリラが言ったとおり、 「容姿のことなど気にするべきではない」 「そんなことよりもっと大切なことがある」 と考えるべきなのかもしれませんが、 思春期の少女が、 他人からあれほどの仕打ちを受けているのだから、 気にしないわけにもいかないし、 それほど簡単に受け流せるものではありません。 アンが、 平気で人を傷つけるクラスメイトのことを憎み、 コールの繊細さのほうに惹かれていくのも分かります。 第5話は、 他人から理不尽な仕打ちを受けただけでなく、 最後は自業自得でますます容姿がひどくなるというオチ。 まったく救われない。 アンは、この問題をどうやって乗り越えるんでしょうか? まずは、アン自身が、 自分の容姿を受け入れて愛して、 魅力的に見せるための術を探すべきかもしれません。 実際、コールは、 そばかすだらけのアンをチャーミングだと思ってるかもしれない。 ◇ 現代ならば、 それこそビリー・アイリッシュみたいに、 自分で髪を緑色に染める人もいます。整形手術をする人もいる。 でも、 現代の女性のほうが選択肢をもっているとはいえ、 本質的には何も変わっていないし、 むしろ、かえって深刻化していると言うべきでしょう。 年齢を問わず、多くの女子が、 あいもかわらず、やっぱり容姿の問題に悩んでいます。 くだらないと言えばくだらないけど、 なかなか答えの出ない問題です。 ◇ アンにも正すべきところはあるかもしれません。 とくに、今回は、 アンの醜さとダイアナの美しさが対比されていました。 ダイアナの美しさは、たんに容姿だけのものではない。 たとえば、アンは、 詐欺師に立ち向かったジェリーの勇敢さを湛えて、 彼にキスをしたり、アルファベットを教えたりしてるけど、 おおむねジェリーを上から目線で見下してるのは否めない。 それに対して、ダイアナは、 ジェリーに対しても敬意をもって接していて、 そういうところに人間性と品の良さ、美しさが表れています。 アンは、 ダイアナの美しさを愛して憧れていますが、 いずれジェリーにさえ嫉妬しかねない勢いです(笑)。 ◇ もうひとつの別の視点があります。 汚い便所で掃除をさせられているギルバートとセバスチャンの世界。 アンは、 美しいものにばかり心をとらわれて、 自分の髪のことなどを気にしてるけど、 世の中には、もっと苛酷で醜くて汚い現実があります。 ギルバートが直面している最下層社会の現実にくらべれば、 まだしもアンは、比較的美しい世界に住んでいるのですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.10.14 09:20:05
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