テーマ:サッカーあれこれ(20123)
カテゴリ:スポーツも見てる!
ABEMAの本田圭佑のサッカー解説。
いちばん印象に残ったのは、 守備や攻撃が「ハマってる」という言い方です。 この「ハマる」ということが、 日本のサッカーの戦術を考えていくうえで、 とても重要な概念になる気がします。 ◇ 森保をふくめて、 従来の日本サッカーの戦術は、 簡単にいえば、 前半は守備的な陣形でカウンター狙い。 運よく前半で先制できたら、そのまま守備的な陣形を維持。 前半で先制されてしまったら、後半は攻撃的な陣形に変更。 …というものです。 そこで問題になるのは、 後半まで引き分けの状態が続いたとき。 たとえば後半まで引き分けのまま、 残り時間わずかのところで先制されたりすると、 もう「後のお祭り」ってことになります。 コスタリカ戦は、まさにそのパターンでした。 ◇ しかし、 本田圭佑の考え方は違っていました。 重要なのは、 陣形が「守備的か攻撃的か」ではなく、 それが「ハマってるのかどうか」ってこと。 たとえ守備的な陣形をとっていても、 ハマってなければ守備に徹する意味がないし、 逆に、攻撃的な陣形であっても、 ハマっていれば失点のリスクはほとんどない。 実際、 本田が「ハマっている」というときは失点がなかったし、 本田が「ハマっていない」というときは、 守備的な陣形にもかかわらず失点していました。 ◇ たとえばクロアチアなども、 かなり前線を押し上げて、 ゴールキーパーの目の前までボールを奪いに来ていたけれど、 それでいて別にリスクを負っている風ではなく、 むしろ守備は非常に堅かったのですよね。 つまり、きちんと守備がハマっていれば、 リスクを負わずに前線を押し上げることも可能であり、 前半から攻めていくことも出来るってこと。 日本も、 とくにコスタリカ戦では、そうすべきだったと思う。 ◇ ところで、 守備が「ハマる」とは、どういうことなのでしょうか? 第1に、 どのような陣形をとるかということ。 第2に、 選手の個性に合わせて、 誰が誰をマークするかということ。 第3に、 前線をどこに設定するかということ。 センターラインより前で守るのか、後ろで守るのか。 第4に、 どのようにボールにアプローチするか、ってこと。 パスを待ってカットするのか、 こちらから積極的に奪いに行くのか、 あるいは体ごと当たっていくのか、 それによっても「ハマりかた」がぜんぜん違ってくる。 たんに数的に優位なら安全というわけではないし、 逆に、数的に不利なら危険というわけでもない。 重要なのは「ハマりかた」なのだと思います。 ◇ もちろん、 これは守備だけでなく、攻撃についてもいえます。 守備において「ハマる」というのは、 ポジションごとの対応のパターンができているということ。 それがきちんとハマっていれば、 やみくもに走らされたり、無駄に疲労することも少ない。 一方、 攻撃において「ハマる」というのは、 相手の隙や弱点を突く連携パターンができているということ。 それがいったんハマってしまえば、 相手が陣形を変えたり選手交代をしないかぎり、 いつまででも、何度でもチャンスが続くことになります。 ◇ 日本のサッカーは、 この「ハマる」ということのロジックを、 チーム全体で、 あるいは日本のサッカー文化全体で、 もっと突き詰めて共有していくべきですね。 それによって、日本のサッカーは、 もう一段階レベルアップできるんじゃないでしょうか。 … 日本ごときが、 「サッカーのフィロソフィー」なんてものを考えるのは、 まだ100年早いかもしれませんが、 かといって、 「守備的陣形か/攻撃的陣形か」 という二択だけでサッカーをする時代は終わったと思います。 そうでなければ「個」の力を生かすことは出来ません。 同時に、テレビの解説者も、 新しい時代のサッカーを言葉に出来る人でなければなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.26 17:34:26
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