カテゴリ:岸辺露伴と小泉八雲。
NHK実写版「岸辺露伴は動かない」の第3弾。
第2夜は「ジャンケン小僧」です。 子供相手のじゃんけん3回勝負に死に物狂いの1時間! この荒唐無稽なくだらなさこそ、岸辺露伴の真骨頂! ずっと笑いが止まりませんでした。 ◇ ってなわけで、 すこし考察めいたことを書いておくと、 今回のエピソードの基礎になっていたのは、 「3の安定性」と「4の不安定性」という発想ですね。 ジャンケン小僧は「四ツ辻」の交差性を司る厄神でした。 … 四ツ辻は不安定な場所であり、 交差した者どうしが互いの運命に影響を与えます。 そのため、 辻占いがおこなわれたり、 出会いがしらの勝負になったときは、 負けた者の能力が、 勝った者のほうへ移転したりするようです。 しかし、他方で、 四ツ辻を支配するはずのジャンケン小僧には、 じつは「3の安定性」に対する嫉妬があって、 なんなら「3」こそがいちばん美しい数だと思っている。 そのため、 ホットサマーマーサの目は「3つ」であるべきだと訴え、 じゃんけんの「三つ巴(三すくみ)」こそが、 世界でもっとも完全なシステムだと思っているようです。 それが、お話の前提ですね。 ◇ ただし、このエピソードには、 いくつか腑に落ちない点もありました。 まずは、 ドラマの映像で見る交差点が、 「四ツ辻」ではなく「三叉路」(T字路)に見えたことです。 露伴が神社のほうへ曲がった交差点は、 すこしズレのある四ツ辻のようでしたが、 ジャンケン小僧が転んだ交差点はまるでT字路に見えました。 そうはいっても、 ジャンケン小僧のヘブンズドアで現れたのは、 大きなバツ印(+)だったのだから、 彼が「四ツ辻」の厄神だったのは間違いないのですが。 ◇ もうひとつ腑に落ちないのは、 交差した者どうしが互いに運命を変えるのは、 あくまで「四ツ辻」の不安定性であるはずなのに、 露伴とジャンケン小僧は、 なぜか「三つ巴」のじゃんけんで運命を交差させ、 互いの能力を奪い合っていたことです。 このあたりは、 ややロジックがちぐはぐしていた感じ? 京香さまが担当している漫画家の「志士十五」も、 4×4と3×5のズレ(-1)を明示していて、 やはり数のロジックをおかしくしています。 ◇ できれば、 第1夜で神社へ向かうときも、 「バキンちゃんが何か感じてる」という描写ではなく、 たとえば、 「横から風が吹いてきて持ち物が飛ばされる」とか、 「横から野良犬が走り抜けてバキンちゃんが追う」とか、 そういう描写のほうが、 四ツ辻の交差性の表現としては説得力があった気がします。 ◇ まあ、 第2夜もじゅうぶん面白かったのだけど、 作品の出来としては第1夜のほうが上だったかな。 なお、次回は「ルーブル編」になるっぽい!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.02.09 23:16:05
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