朝ドラ「花子とアン」の総集編を見ました。
本放送はもう10年前!!こわい…(笑) そのときはあまりちゃんと見てなかったけど、 Netflix/CBCの「アンという名の少女」にも関係するので、 あらためて見てみたかったのよね。 とりあえず総集編だけでも見れてよかった。 少女マンガ風の百合っぽさがあったり、 昼ドラ「真珠夫人」っぽいところがあったり、 人気の朝ドラになった理由がよく分かりました。 ◇ 脚本を書いた中園ミホは、 村岡花子の人生をいろんな点でアンに重ねたのね。 たとえば、 花子&蓮子(村岡花子&柳原白蓮)の関係を、 腹心の友だったアン&ダイアナに重ねたり、 花子の出身地である山梨県甲府のブドウの話を、 ワインで酔っぱらうエピソードにつなげたり…。 村岡花子の父は静岡出身の茶商なので、 べつに甲府で葡萄を栽培してたわけじゃありませんが。 ちなみに小説では、 アンがダイアナにワインを飲ませるけど、 ドラマでは逆に、 蓮子が花子にワインを飲ませてましたね。 ◇ そして、 「はな」という本名に「子」をつけた史実を、 「ann」に「e」が付くことを望んだ物語に重ねている。 旧姓時代の安中はなが、 ペンネームとして「安中花子」を名乗ったのは、 モンゴメリの小説を翻訳するより前のことだから、 これはある意味、運命的な符合だったといえる。 CBCのドラマが、 あらためて名前の「e」に焦点を当てたのも、 案外、この日本の朝ドラの影響だったかもしれない。 Anne with an E(Eのつくアン) 運命といえば、 父の安中逸平がカナダ・メソジスト派の信徒であり、 そのコネで東洋英和女学校に入学したことが、 花子がモンゴメリの小説と出会うことに結びついている。 おなじクリスチャンでも、この教派でなければ、 村岡花子がモンゴメリの小説に出会うことはなかったでしょう。 モンゴメリの「Anne of Green Gables」は、 まさにカナダの長老派教会の人たちの物語なのだから。 ◇ 実際、 ドラマを見ていていちばん興味が湧いたのは、 やはり父の安中逸平のことです。 地方の貧しい茶商の娘だったにもかかわらず、 良家の子女が通う東京のミッション校に入学できたのは、 父が熱心なクリスチャンにして社会運動家だったから。 ドラマでは花子だけが単身で上京してましたが 史実では花子が幼いときに一家で上京したらしい。 おそらく娘の文才も父譲りなのでしょう。 ◇ 左翼活動家だった父とはちがい、 戦時中の花子はやや日和見だったとも言えます。 いわゆる翼賛体制にも協力的だった。 けれど、 じつは「赤毛のアン」の翻訳作業こそが、 1939年~1945年の戦時中におこなわれていた。 その点は重要だろうと思う。 つまり、村岡花子は、 よりによって米英との戦争中に、 ひそかに英語の小説を翻訳してたわけですね。 そして、それが彼女の代表作になった。 この姿勢こそ、政治的だった父に通じている。 ◇ 柳原白蓮の人生もなかなかに壮絶で、 ドラマではそれを「ロミオとジュリエット」に重ねてました。 しかし、こちらのサイトによると、 http://whiteplum.blog61.fc2.com/blog-entry-3030.html?sp http://bungeikan.jp/domestic/detail/705/ 村岡花子が子供のころから読んでたのは、 むしろ「ロミジュリ」でなく「失楽園」だったらしい! 白蓮と宮崎龍介の駆け落ちのことを考えると、 これまた運命的というかなんというか。 ちなみに昼ドラにもなった菊池寛の「真珠夫人」は、 ほかならぬ「白蓮事件」をモデルにしたとの噂があったものの、 実際には事件より小説のほうが先に書かれていたようです。 なお、 現在の「ブギウギ」に出てくる淡谷のり子も、 竹久夢二とかかわりがあった人ですが、 柳原白蓮も夢二とかかわりがあったらしい。 もともと彼女自身が、 夢二の美人画を具現化したような人ですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.31 10:43:50
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