カテゴリ:メディアトピック
セクシー田中さん問題。
いろいろと議論が進展しています。 まずはプレジデントオンライン。 西山守の記事です。 ~芦原さんを苦しめたのは「原作改編」と「SNS炎上」のどちらか~ つまり、 ドラマ版「セクシー田中さん」は、 双方に想定以上の労力を強いたとはいえ、 たえず原作者による修正が加えられたことで、 結果的には「原作に忠実」な形で放送されてる…って話。 たしかに、この事実は重要です。 一部の漫画ヲタクは、 「改変されまくりのドラマ版はつまらなかった!!」 などと言ってるようですが、 それは事実上、芦原妃名子の仕事を否定してることになる。 ◇ 最終的に、 ドラマが「原作に忠実」な形で放送されたなら、 プロデューサーは当初の約束を守ったことになります。 …もちろん、 いくつかの未解明な部分についての説明責任は残ってますが。 それは大きく以下の7点です。 1.なぜドラマ化は許諾されたのか。 そもそもドラマ化に消極的だった芦原妃名子は、 なぜ日テレによるドラマ化を許諾したのでしょうか? いちどは矢島弘一の脚本によるドラマ化を断り、 まだ連載も途上だったのに、 なぜ三上絵里子プロデュースのドラマ化には応じたのか? その時点で相沢友子の脚本起用は決まっていたのか? これについては、日テレよりも、 許諾側の代理人たる小学館が説明すべきだと思います。 2.なぜ木南晴夏は5月からダンスレッスンを始めたのか。 原作者がドラマ化を許諾する1か月前から、 木南晴夏はダンスレッスンを始めていたらしい。 これについては日テレから説明するほうが早いでしょう。 小学館と口裏を合わせていた可能性もありますが、 たんに日テレやホリプロの勇み足だった可能性もあるし、 これもまた業界の慣例だったかもしれません。 3.プロデューサーは脚本家に何を伝えて何を伝えなかったのか。 相沢友子は「初めて聞く事ばかり」とコメントしましたが、 具体的に何を指してそう言ってるのかはハッキリしません。 さすがに「原作に忠実に」という条件すら知らなかった、 …とは考えにくいです。 もし、そうなら、 第1~8話も修正どころでは済まなかったはずだから。 逆に「原作に忠実に」という条件が共有されていたなら、 第1~8話の修正は想定内の作業だったといえます。 実際、相沢友子も、 第1~8話については「自分が書いた」と言ってるだけで、 原作者による修正についてはとくに言及していません。 一方、 終盤の脚本を原作者に交代する可能性については、 あらかじめ脚本家に伝えられていたのでしょうか? 原作者側から、 その可能性を通告されていたにもかかわらず、 実際にそんな事態になるとは予想せずに、 プロデューサーが相沢友子に伝えてなかった、 …ってことも考えられる。 その場合、 相沢友子にとって脚本交代は青天の霹靂で、 大きなショックになったろうと想像されます。 そのあたりの事情は三上絵里子が説明したほうがいい。 4.相沢友子のインスタ発信は妥当だったのか。 相沢友子が、 脚本交代の顛末をインスタで明かしたことが、 騒動の発端になってしまったわけですが、 わたしは、昨日の記事にも書いたとおり、 暴露したその行為自体が悪いとは思いません。 その種の「不満のぶちまけ」は、 ほかの作家や脚本家もやってることだし、 あくまで個人の表現行為の範疇であって、 べつに日テレ側が制止すべきことでもないはずです。 まあ、それについても、 三上絵里子なりの見解を示せばいいと思いますが。 5.なぜ脚本交代の経緯を小学館から説明しなかったのか。 終盤の脚本交代に至るまでの経緯をくわしく説明したのは、 小学館ではなく原作者自身だったわけですが、 それは何故だったのか。 日テレとの窓口は小学館だったのに、 なぜか世間の矢面に立ったのは原作者自身だった。 その理由については、代理人たる小学館が説明すればいい。 6.なぜ芦原妃名子はSNSの文章を削除したのか。 脚本交代に至る経緯について説明した文章を、 芦原妃名子は亡くなる前に削除したのですが、 これは本人の独断だったのか。 それとも第三者による何らかの関与があったのか。 それについて事情を知る人がいるなら説明すべきでしょうね。 7.なぜ連載は休止になったのか。 小学館によれば、 今回の事態が起きる前から休載は決まっていたとのこと。 これについても、 自殺の動機を知る手掛かりの一つかもしれないし、 代理人たる小学館が説明すればよいと思う。 ◇ …ってことで、 じつは三上絵里子が説明すべきことは、さほど多くありません。 実際のところ、 日テレのプロデューサー陣には、 これといった契約違反もないし、 目立った過失も義務違反もないのかもしれません。 ◇ 次に、Yahooの猿渡由紀の記事です。 ~原作ものの映像化と改変、最近のハリウッドの例を見る~ ハリウッドの優れた映画が、 かならずしも原作に忠実なわけじゃない…という話です。 まあ、常識的に考えて、 オスカーにせよ、カンヌにせよ、 原作をそのままトレースしただけの映画が高評価を得るわけがない。 漫画ヲタクを喜ばせる映画と、映画ファンを唸らせる映画は、 かならずしも同じではない、ってこと。 ◇ 次に、Yahooの徳力基彦の記事です。 ~「セクシー田中さん」と芦原先生の悲劇を繰り返さないために~ じつはSNSでの怒りの連鎖に着火したのは、 ひとつのネット記事だったのではないか?…という話です。 この問題については、 明日以降に言及できれば、と思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 20:28:06
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