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まいかのあーだこーだ

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2024.05.26
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夜ドラ「VRおじさんの初恋」全32話が終了。

恋人を喪失したナオキの悲しみと同時に、
新しいVR世界の未来も感じさせる結末でした。



以下は第31話から、
穂波の生前最後のモノローグ。
私たちの心は体に決められる。望む望まないにかかわらず。
性別・年齢・健康状態…そういうもので心の輪郭は作られていく。
でも、VRの世界で現実とちがう体と出会って、その体でしか出来ない約束をした。
体が変われば、心が触れ合う場所も変わる。あれは、たしかに同じ私たちだ。

たとえば仏教では、
身体に縛られる人生を「苦」ととらえて、
そこからの解脱を目指すわけだけど、
アバターの身体を得ることも一種の解脱かもしれません。


しかし、原作者は、
最終回の後に次のようなツイートをしてました。
この話は、じつはアバター自由選択による魂の解放…的な話のまったく逆を言っていて。体を自由に変えても、それは魂のアウトプットが変わるだけ。
結局はガワで恋愛しとるんか? でも、それだけじゃないだろう? という話を繰り返し繰り返し折りたたんでいる。




でも、わたし自身は、
やっぱり恋愛は「ガワ」でするものだろうと思います。
リアルにおいてであれ、VRにおいてであれ、
しょせん恋愛なんて一瞬の気の迷いでしょw

かりに、
「ガワ」だけじゃない「魂の結びつき」があるなら、
それは、きっと恋愛以上のものだと思うけど、

恋愛以上の「愛」や「友情」でさえ、
けっして普遍的ではありえないわけだし。
環境によっても、年齢によっても、体調によっても、
人間どうしの関係性は変わっていくはずです。

実際のところ、
「本当の恋」なんてものはありえないし、
「本当の愛」とか「本当の友情」なんてのも、
それ自体がメディア的な幻想じゃないかと感じる。



ちなみに、
ホナミの「中の人」は亡くなりましたが、
AIでホナミのアバターを生かしつづけることも、
きっと技術的には可能でしょう。

ドラマでは、
バックアップしたホナミの過去の映像を、
VR内の画面で見るシーンがあったけど…

VRのなかで画面を見るってのも変な話だよねw
そもそも画面のなかへ没入するのがVRなのだから。

もしも、AIによってホナミのアバターを生かしたら、
VRのなかに徹頭徹尾「ガワ」だけのホナミが出現します。
そしたら、ナオキは、
中身のない「ガワ」だけのホナミと恋愛しつづけられる。



そもそも、
死者に恋しつづけるのは珍しいことじゃありません。

たとえば、
エルヴィス・プレスリーの歌や、
マリリン・モンローの映像に、
いまもなお恋しつづける人はたくさんいる。

エルヴィスやマリリンの場合は、
もともとがメディア的な「幻想」だから、
生きていようが死んでいようが、
たいして変わりがないともいえるけど。

死者に恋することも、
幻想に恋することも珍しいことではない。
むしろ、ごく普通のことです。

そう考えれば、
ナオキが「ガワ」だけのホナミに恋しつづけるのは、
とても孤独で、うすら寒いともいえるけど、
けっして不自然な話ではないと思います。



いずれはVR世界の中で、
アイドルと恋愛することも可能になるでしょう。

複製されたアイドルのアバターがたくさん存在して、
不特定多数の人々がそれらと恋愛するような時代が来る。

そこでは、もはや中身があるかどうかなど関係ない。
たとえAIで生かされた複製のアバターであっても、
恋愛対象としては十分に事足りるだろうし、
それどころか、
AIで複製されたアバターなら、
ユーザー好みにカスタマイズすることも可能でしょう。

つまり、
自分好みの振舞いをしてくれるアイドルですね。
それは想像しうるかぎり最高の恋愛対象になるはず。
たとえ中身のない「ガワ」だけの存在だとしても。




たとえば、
中身のいるアバターどうしの交流においても、

自分の姿を相手に合わせてカスタマイズしたり、
相手の姿を自分好みにカスタマイズすることは可能だろうし、
姿だけでなく言動も相手の好みに合わせることは可能だと思う。
結果的に、双方がまったく違うものを見ていても構わない。

そのほうが、お互いにストレスなく、
快適なコミュニケーションができるわけだし。

そもそもVRの参加者は、
同じ世界を共有する必要はないのよね。
それぞれがまったく違う世界を見ていても構わない。
これは一種のフィルターバブルみたいなものです。
自分に都合のよい幻想だけに囲まれた世界。

100人のユーザーがいたら、
100通りのパラレルなマルチバースが併存する。

すでに現状のネット世界でも、
多くの人はフィルターバブルの中に埋没してるし、
都合の悪いものは見ないようにしています。
そのほうが快適なのだから。
VRでも、ほとんどの人はフィルターバブルを望むはず。



フィルターバブルに包まれた無葛藤な世界は、
快適である反面、とてつもなく孤独だとも言える。

しかし、実際のところ、
あえてフィルターバブルの外側に出て、
本物のコミュニケーションを求める人は少ないだろうし、
恋愛はいっそう「ガワ」だけになっていくと予想される。

そして、良かれ悪しかれ、
フィルターバブルに包まれた自分こそが、
結局は「本当の自分」なのかもしれない…とも思う。
ホナミ:ウサギの耳はやりすぎです!
穂波 :私だって変えたかったんだけど、操作がよく分からなくてな。
ホナミ:でも、私は好きです。
穂波 :私もだ!…当たり前か、同一人物だもんな。
ホナミ:当たり前じゃありません。人生を通して自分に出会えない人はいっぱいいます。

はたして、
「本当の自分」というフィルターバブルに包まれた世界が、
ユートピアなのか、
はたまたディストピアなのか分かりませんが、
それが実現する未来はさほど遠くないと思います。



↓おばさんがVRのバトル空間で秘められた暴力性を開示するのかしら?




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最終更新日  2024.06.17 19:04:02


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