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まいかのあーだこーだ

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2024.06.16
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NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」を見ました。
今回は《ルート66~アメリカの夢と絶望を運んだ道》です。

ちょうど4月にU-NEXTで、
ジョン・フォードの「怒りの葡萄」を観たばかりだったので、
ルート66のことは気になってたのよね。




番組で取り上げられた事項を、
年代順に並べると以下のような感じ。
1926 国道66号線(シカゴ~サンタモニカ)が創設。
1928 大陸横断マラソン(LA~NY)5500km。
1929 世界大恐慌で失業者1200万人=4人に1人。

1933 ボニー&クライドがミズーリ州ジョプリンの隠れ家から逃走。
1934 ルイジアナ州の警官隊がボニー&クライドを射殺。テキサス州ダラスで葬儀。

1935 ダストボウルによる《黒い日曜日》。
1936 黒人ドライバーのためのグリーンブック創刊。
1939 ジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」。
1940 ジョン・フォードの映画「怒りの葡萄」。
1940 ウディ・ガスリー「我が祖国」(This land is your land)。

1941 第二次世界大戦。シリコンバレーの軍需産業が300万人の雇用を生む。
1942 日系人の強制収容。カリフォルニア州マンザナー収容所に1万人。

1945 終戦。
1946 ネバダ州ラスベガスにカジノホテルの建設ラッシュ。
1948 マクドナルドがカリフォルニア州サンバーナーディーノでセルフサービス開始。
1951 ラスベガスの北西約105kmにネバダ核実験場が開設。
1953 マイルス・デイヴィスがオクラホマ州エドモントで黒人排斥に遭う。
1956 ナット・キング・コール「ルート66」。
1956 州間高速道路網の整備が開始。
1957 ジャック・ケルアックの小説「路上」。
1960-64 テレビシリーズ「ルート66」。
1960 ラスベガス観光客1000万人収益2億ドル。アトミックパーティと原爆カクテル。
1962 ジョン・スタインベックがノーベル文学賞。
1963 マクドナルドのテレビCM。

1964 公民権法が成立。
1965 ママス&パパス「夢のカリフォルニア」。ベトナム反戦運動。
1967 黒人ドライバーのためのグリーンブック廃刊。
1969 ピーター・フォンダ&デニス・ホッパーの映画「イージーライダー」。
1973 米軍がベトナムから撤退。カウンターカルチャーの収束。

1985 国道66号線が廃線。
1987 アリゾナ州で「Historic Route66 協会」設立。
2008 リーマンショック。車上生活の季節労働者ワーキャンパーが増加。
2016 ドナルド・トランプが大統領選に勝利。



大都市と大都市を結ぶ国道が整備されたら、
沿線の田舎町も潤うかと思いきや、
皮肉にもダストボウル難民が発生してしまう。

そして、土地を追われた彼らは、
出来たばかりの国道でカリフォルニアへ向かうものの、
そこに十分な仕事はなく、
粗末な難民キャンプで暮らすしかなかった。

ちなみに、ダストボウルは、
無計画な耕地開発による人災とも言われるけど、
もしかしたら、それ自体が、
国道整備を当てにした資本投入の結果だったのでは?

とにかく、
オーキーと呼ばれた人々にとって、
国道整備は恩恵どころか悲劇しか生まなかった。
最終的に彼らを救ったのが大戦特需だったのも皮肉です。

そして、
第二次大戦によってオーキーが救われる代わりに、
こんどは日系人が排斥されて強制収容される。

ヘンリー・フォンダはネブラスカ州出身。


なお、音楽惑星さんは、
ボブ・ディランが「ウディ・ガスリーの後継者」であり、
スタインベックが1962年に、そしてディランが2016年にノーベル文学賞を受賞したのは、まったく無関係な出来事なのではない。
http://manzara77.blog.fc2.com/blog-entry-144.html

…と書いてましたが、
たしかにウディ・ガスリーを起点に考えると、
2人のノーベル賞受賞は関連してるように思えます。

第2の国歌とも呼ばれる「This land is your land」。




一方、
戦後のルート66の享楽的なイメージは、
ナット・キング・コールの歌に象徴されます。

個人的にはマンハッタントランスファーでよく聴いたけど。



マフィアがカジノを仕切ったラスベガスでは、
ネバダの核実験を見物しながらカクテルを飲んだりしてた。



とはいえ、
戦前のボニー&クライドや、
戦後のジャック・ケルアックの小説のように、
自由と退廃の交錯するイメージも、ずっと尾を引いてる。

サマー・オブ・ラブの実態は、
ヒッピーたちのドラッグ&セックスだった。



ボニー&クライドのことは、
「時をかけるな恋人たち」のマギー&キケロのときに、
ちょっと取り上げたけど、
彼らの犯罪もルート66がらみなのね。

1967年の映画「俺たちに明日はない」は、
日本でいう《アメリカン・ニューシネマ》の嚆矢になる。


ピーター・フォンダの「イージーライダー」も、
やはり《アメリカン・ニューシネマ》の代表作。
父のヘンリー・フォンダとともに、
息子も映画でルート66を走るという不思議な因縁。




マイルス・デイヴィスが、
オクラホマ州のエドモントで黒人排斥に遭ったように、
国道沿線には「サンダウンタウン」と呼ばれる町があり、
基本的には白人保守の世界だった。

黒人旅行者のためのグリーンブックが発刊されたのは、
理由もなく黒人が射殺されるような状況があったから。


現在は、そうした白人保守層が、
リーマンショック後に貧困化するなかで、
共和党のドナルド・トランプが強力に支持される現実がある。

公民権法が施行されてもなお、
社会の分断がなくなったわけじゃなく、
むしろ亀裂はいっそう複雑化して深まってます。




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最終更新日  2024.06.19 08:44:48


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